April 23, 2014 / 9:28 AM / 4 years ago

コラム:米大統領の歴訪、「アジアの世紀」証明するか

[22日 ロイター] - Josette Sheeran

アジアでは、米国による支配への反発よりも、同地域から米国が手を引くことの恐怖の方がまさっている。アジア歴訪を開始するオバマ米大統領は、このことを肝に銘じるべきだ。

米国がリビアやシリア、クリミアなどで次々と起こる危機への対応を迫られるなか、アジアの政治的・文化的指導者の多くは、米国が内向き志向になることを最も懸念している。

また、中国が世界最大の経済大国への歩を進め、南シナ海や東シナ海の地政学的勢力図も変化の兆しをみせており、アジア各国は米国の立ち位置を知りたがっている。オバマ大統領にとっては、今こそ「アジア重視」の外交政策の中身を披露する時だと言える。オバマ政権は「アジア重視」を大々的に打ち出したものの、具体性は依然乏しいままだ。

世界の指導者としてのオバマ大統領の功績と、太平洋の大国としての米国の立場は、かつてないほど危機にさらされている。オバマ大統領がアジア重視に外交政策のかじを切ったことは正しかった。大統領は今、それをやり遂げる重大なチャンスを迎えている。

一方、米国の同盟国の多くは、オバマ政権が外交政策の軸足を欧州や中南米、中東からアジアに移すことに気をもんでいる一方、実質的にほぼすべての国が、自分たちの外交政策や貿易政策もアジアに「リバランス」しようと動いている。

これは、イデオロギーや地理的な理由ではなく、現実を反映した結果だろう。米国を含む西側先進国はこれまで、世界経済の新たな成長エンジンとしてだけでなく、挑戦と対立の発生源としてのアジアの台頭を認めるのに時間がかかった。

新興国が台頭し、第2次世界大戦後の「世界秩序」の枠組みは崩壊した。こうした傾向は世界のどの大陸でも見られるが、最も重要な影響をもたらしそうなのはアジアだろう。

オバマ大統領のアジア重視政策のなかで最も革新的かつ戦略的な要素は、アジア太平洋の11カ国と交渉している環太平洋連携協定(TPP)だろう。

TPPが合意できるかどうかで、アジアへのリバランス政策の成否が決まると言っても過言ではない。TPPは太平洋のどちら側にとっても、繁栄の新時代を迎えるための基盤に不可欠な要素だからだ。そして効果的にTPPを機能させるためには、中国とインドの参加が肝要だろう。

TPP合意は太平洋地域で協力を深化させるために重要だが、これは初めの一歩にすぎない。

米国と中国の2国間投資協定を考えてみてほしい。こうした交渉では、米中間の緊張は一時的に高まるかもしれないが、協定を結ぶことで貿易障壁を取り除き、経済成長の新たな機会を生み出すことにつながる。

長期にわたり、アジアと米国は一段と関係を深める必要がある。そして、ともに利益を得られる経済協力関係を政治的協調への出発点とし、安全保障分野での協力も促進する機会を迎えることになるだろう。

「アジアの世紀」と言われる時代において、アジア太平洋地域の平和に対するこのような基本的な課題は、決定的に重要だが困難でもある。もしオバマ大統領が今回のアジア歴訪で以下の3つの優先事項を示すなら、米国はベストな立ち位置を手にできるかもしれない。

第1に、米国は自ら打ち出したリバランス政策に真摯に取り組まなくてはならない。安保面だけでなく、外交、貿易、開発面での投資や協力をアジアで拡大する必要がある。

第2に、アジアの世紀への関与は、国際問題に対するアジア諸国の影響力増大を支持することだと認識しなくてはいけない。

そして第3に、政府機関やアジア・ソサエティーのような市民団体は、米国とアジアが互いに関心を持ち、協力や連携ができるような大きな可能性のある分野を促進するためにより多くのことができるだろう。

このような優先事項が明確に理解され、TPPも合意され、アジア太平洋地域全体での開かれた貿易に向けた一段の措置が取られれば、米国はようやく意義のある「軸」を得ることができるだろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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