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コラム

コラム:原油増産凍結見送り、相場回復が速まるシナリオも

[ロンドン 18日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 主要産油国による増産凍結は、サウジアラビアが宿敵イラン抜きでの実施に強く抵抗したため、合意に至らなかった。向こう数週間、原油価格が再び下落するのは必至だが、遠くない将来に回復に向かう可能性も考えられる。

 4月18日、主要産油国による増産凍結は合意に至らなかった。向こう数週間、原油価格が再び下落するのは必至だが、遠くない将来に回復に向かう可能性も考えられる。写真はカタールのエネルギー相。ドーハで17日撮影(2016年 ロイター/Ibraheem Al Omari)

コストの高い生産者が生産を急減させている兆しは既に見られる。しかも原油安が産油国経済に痛みを及ぼすようなら、次回6月の石油輸出国機構(OPEC)総会では増産凍結どころか減産合意に至る可能性が出てくる。OPECは最新の市場リポートで、OPEC以外の生産が日量73万バレル減少すると予想。減産幅は前回の推計値から4.2%増えている。

主要産油国が17日にカタールの首都ドーハで開いた会合について、アナリストの多くは決裂を予想していた。サウジで実権を握るムハンマド副皇太子は、イランが参加しなければ増産を凍結しないと主張して譲らず、こうした懐疑論をあおった。サウジとイランは政治的な方向性と影響力をめぐり角を突き合わせる仲だ。

しかしイランは経済制裁が解除されたばかりとあって、まずは生産量を制裁前の水準まで回復させる決意を固めている。

一方、イラクからナイジェリア、ベネズエラに至るまで、OPECの主要産油国は経済的苦境に陥っている。現在の相場水準が続いた場合、これら3カ国の原油輸出収入は、価格が1バレル=115ドル前後だった2014年半ばに比べて合計で1日約4億6500万ドルが失われる計算になる。サウジの増産凍結拒否が長引けば長引くほど、他のOPEC加盟国の経済が脅かされる。

こうした全体状況を踏まえると、年末に向けて原油価格の反発が速まる可能性が見えてくる。1バレル=40ドル前後の相場が夏いっぱい続けば、採算ラインぎりぎりの米石油企業が廃業に追い込まれ、ロシアは中東での威嚇的な態度を和らげるよう迫られるだろう。そうなればサウジとイランも代理戦争をトーンダウンさせざるを得ないかもしれない。石油価格の長期的な回復に必要な増産凍結合意にとって、現在最大の障害になっているのがこの代理戦争なのだ。

●背景となるニュース

*OPECその他の主要産油国は17日、ドーハで開いた会議で、増産凍結の合意に至らなかった。

*ロイターによると、サウジがイラン抜きの合意を拒否したことが、交渉決裂の大きな要因。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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