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コラム

コラム:不毛なパナマ文書流出、アイスランドが最初の犠牲に

[ロンドン 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 金融危機以降8年近くにわたって、いまだ資本規制を行っているとはいえ、アイスランド経済はそう悪くはない。同国の消費者信頼感と個人消費の伸びは、2007年以降で最高となっている。

 4月5日、金融危機以降8年近くにわたって、いまだ資本規制を行っているとはいえ、アイスランド経済はそう悪くはない。しかし、いわゆる「パナマ文書」で最初に大きな打撃を被った国となった。写真は、同国のグンロイグソン首相に対してデモを行う国民。首都レイキャビクで撮影(2016年 ロイター)

非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナルの「腐敗認識指数」ランキングでは、アイスランドはオーストラリアと共に、世界で13番目に汚職の少ない国として挙げられている。

だがアイスランドは、パナマの法律事務所から流出した機密の金融取引文書、いわゆる「パナマ文書」で最初に大きな打撃を被った国となった。

パナマ文書により、アイスランドの破綻銀行が発行した債券を保有するオフショア企業の半分を、同国のグンロイグソン首相がかつて所有していたことが明らかとなった。首相は5日、辞任を表明した。

なぜアイスランドがドミノ倒しの口火を切る羽目に陥ったのか。これは単なる偶然ではない。グンロイグソン氏率いる進歩党への支持率は低い。透明性向上を約束し、2013年に同氏が首相に就任して以来、半分以上低下している。

アイスランドは危機から回復したが、信頼は依然として低い。比較的汚職のない国だが、世論の動向は間違った方向に向かっている、と米保守系シンクタンクのヘリテージ財団は指摘する。

アイスランド国民が海外に資金を移すのにいまだに制限を余儀なくされるなか、グンロイグソン氏の失墜に海外の隠し財産が絡んでいたということも、怒りを増幅させている。

とはいえ、アイスランドを脆弱(ぜいじゃく)にさせるものは、パナマ文書を最終的に全く無用にさせるものと同じである。同国は強い法の支配の下に成り立ち、国民が敏感に反応する民主主義国家だ。アイスランド議会は、世界で最も古い歴史をもつ議会の1つである。有権者の期待は高く、もしそれがかなわなければ、自分たちの意見を世に知らしめることができる。

ここで、中国について考えてみよう。パナマ文書によれば、8人の旧・現指導者の家族がオフショア企業を所有していたとされている。中国では、同文書流出に関して報道規制が行われている。たとえ規制されていなくても、中国の一般市民がそれについてどうするかを知るのは難しい。習近平国家主席さえ認めているように、汚職は根深く、染みついている。

もっと下世話な内容が明らかになるに違いない。英国、ウクライナ、パキスタンの指導者の親類もパナマ文書に記載されている。しかしアイスランドが早々に見舞われた災難は、スキャンダル全体を方向付けるだろう。いかに意図的であれ、流出はおおむね善人と言えるような人物に平手打ちを食らわせ、本当に腐敗した人間を野放しにする傾向がある。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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