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コラム:ロシアゲートが吸い取る米政権の経済推進力
2017年10月31日 / 02:16 / 24日後

コラム:ロシアゲートが吸い取る米政権の経済推進力

[ワシントン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ロシア政府による昨年の米大統領選干渉疑惑(ロシアゲート)は、トランプ政権が価値のある経済政策推進につぎ込むべき力を吸い取りつつある。

 10月30日、ロシア政府による昨年の米大統領選干渉疑惑(ロシアゲート)は、トランプ政権が価値のある経済政策推進につぎ込むべき力を吸い取りつつある。写真は、起訴されたトランプ陣営のポール・マナフォート元選対本部長。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/James Lawler Duggan)

30日にはトランプ陣営のポール・マナフォート元選対本部長が、この問題で初めて立件された。それによってホワイトハウスは、税制改革や米連邦準備理事会(FRB)の次期議長指名、政治的に重要なトランプ氏のアジア訪問に向けた準備にもっと割けるはずの貴重な資源を、事態対応に回さざるを得ない。

マナフォート被告は、ウクライナ政府や同国の親ロシア政党のための無登録の代理人として活動し、その報酬を隠匿したとして起訴された。7500万ドル強を国外に移したとされる違法行為の期間は2008─17年と、トランプ陣営で選挙を取り仕切っていた時期を含んでいる。起訴内容はトランプ氏の選挙運動とは関係ないように見えるが、別のトランプ陣営の元顧問が、民主党のヒラリー・クリントン候補に不利な材料を持っていると表明していたロシア政府と連絡するための仲介者との接触に関して、連邦捜査局(FBI)に虚偽証言をしていたことを認めている。

ホワイトハウス関係者にしてみれば、ただでさえ忙しい今週に望ましからぬ重荷を背負わされる形になった。11月1日には、トランプ氏が最優先の国内政策と位置付けている共和党の税制改革法案が発表される。投資家が待ち望んでいるのは、11月2日とみられる次期FRB議長の指名人事だ。その後トランプ氏は、中国を含むアジアを12日間の日程で訪問する予定で、米政府としてはここで北朝鮮の核・ミサイル開発や各種通商問題について状況の進展を誇示したいと考えている。

しかしロシアゲート捜査は、トランプ氏が法人税改革提案の積極的な売り込み役を演じるのを阻むばかりか、政策運営に長期的な悪影響すら及ぼしかねない。6月にもトランプ氏の提唱した1兆ドル規模の道路・橋りょうなどのインフラ再建計画の成立に向けた働きかけのため、ホワイトハウスが1週間を費やしたものの、ジェームス・コミー前FBI長官の議会証言で台無しになっている。このインフラ再建計画はもはや、議会における今年の法案審議日程に入っていない。

ホワイトハウスには、税制改革やその他の重要政策を同じように実現に向けた軌道から外す余裕はない。ロシアゲート捜査は、その進展に伴って次第に対象となった個々人への注目度が高まっていくだろう。だが結果的に大事な政策変更や通商交渉が決着しないままなら、米経済がその代償を引き受けることになる。

●背景となるニュース

*トランプ陣営のポール・マナフォート元選対本部長が30日、マネーロンダリング(資金洗浄)の共謀や外国のロビー活動に関する登録義務違反など12の罪で起訴された。モラー特別検察官のロシアゲートに関する立件は初めて。

*マナフォート被告は少なくとも2006年から15年まで、ウクライナ政府や同国のヤヌコビッチ前大統領が率いていた親ロシア政党などのための無登録の代理人として活動していたとされる。

*マナフォート被告は、報酬を米当局の目から隠すため、米国内外の企業やパートナーシップ、銀行口座を通じて資金洗浄を行い、国外の口座に7500万ドル強を移した疑いもある。またこれらの資金の一部をニューヨークの不動産やその他の物品・サービス購入に充当したという。同被告のビジネスパートナーだったリチャード・ゲーツ氏も起訴された。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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