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コラム:SB傘下スプリント巡り、交錯する大立者3人の思惑
2017年6月28日 / 05:29 / 5ヶ月後

コラム:SB傘下スプリント巡り、交錯する大立者3人の思惑

[ニューヨーク 27日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ケーブルテレビ(CATV)大手チャーター・コミュニケーションズ(CHTR.O)とコムキャスト(CMCSA.O)が、ワイヤレス市場に急速に軸足を移してきたことで、事態がもつれるのは必至だ。

 6月27日、米ケーブルテレビ大手チャーターとコムキャストは、ソフトバンク傘下のスプリントとワイヤレス通信サービス拡充から完全な買収を含めたさまざまな選択肢を検討する交渉に入っている。だが、チャーター筆頭株主のマローン氏、コムキャスト率いるロバーツ氏、スプリントを支配下に置く孫氏(写真)という通信業界の大立者がきれいに折り合えそうにはない。都内で2015年5月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

この2社は、ソフトバンク(9984.T)傘下のスプリント(S.N)とワイヤレス通信サービス拡充から完全な買収を含めたさまざまな選択肢を検討する交渉に入っている。その行方がどうなるにしても、チャーターの筆頭株主であるジョン・マローン氏、コムキャストを率いるブライアン・ロバーツ氏、スプリントを支配下に置く孫正義氏という通信業界の大立者がきれいに折り合えそうにはない。

この3人がどのようにして同じ場所にたどり着いたのかを見ると、少しばかり奇異な感じがある。発端は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が26日、スプリントがチャーター、コムキャストと2カ月にわたる独占交渉に入ったと伝えたことだった。

チャーターとコムキャストは5月にワイヤレス事業拡大に関する提携に合意。そこではお互いの同意なしで1年間、重大な投資や買収を行わないことが決められている。コムキャストは4月、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N)の通信網などを利用したワイヤレスサービスを開始。チャーターも似たような事業を計画している。

一方で孫氏はかねてからディールを仕掛けたくてうずうずしていた人物であり、手始めに米携帯電話第3位のスプリントを第4位TモバイルUS(TMUS.O)と統合し、ライバルのAT&T(T.N)やベライゾンの価格に敏感な顧客を取り込もうとしている。

ただ今後スプリントの交渉がどんな形で進んでも、マローン氏とロバーツ氏、孫氏が簡単に合意するとは想像しがたい。マローン氏は、事業部門株式や持ち株会社などが入り組んだ極めて複雑な企業構造をすぐにまとめ上げることで知られる。WSJによると、同氏は、債務込みで650億ドルの価値があるとみられるスプリントを買ってしまおう、と懐疑的なロバーツ氏の説得を試みているという。

そのロバーツ氏は、ディールによって得られるコスト節減効果に魅せられた可能性がある。ニューストリート・リサーチは、ネットワーク運営と設備投資の費用が最大60億ドル圧縮できるとみている。税金などを考慮すると、全体的なコスト節減効果は400億ドル近くに達してもおかしくない。

こうした「思わぬ果実」が将来手に入る可能性があることから、3人がうまくやっていけると信じられるのかもしれない。

●背景となるニュース

*スプリントは、チャーター・コミュニケーションズとコムキャストの2社とワイヤレスサービス分野で提携を協議している。事情に詳しい関係者が26日ロイターに明らかにした。

*WSJによると、コムキャストとチャーターはスプリントに出資するか、共同で買収に動く可能性がある。

*スプリントは2社と2カ月にわたる独占交渉に入った。チャーターとコムキャストは5月、ワイヤレス事業で互いに同意なく1年間は買収や投資、合弁などの2億ドルを超える規模の「重大な」取引を行わないことを取り決めている。

*コムキャストは4月、自社の「Wi─Fi(ワイファイ)」ホットスポットやベライゾンの電波を利用したワイヤレスサービスを開始。チャーターもワイヤレスサービス拡大を計画中だ。

*ロイターによると、スプリントのTモバイルUSとの統合交渉は7月末まで棚上げされる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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