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コラム

コラム:日本株押し上げるリスクパリティファンド、財政拡大期待も

[東京 16日 ロイター] - 日経平均.N225の上昇が止まらない。根底には米欧日中銀の超緩和政策の継続という現象があるが、足元では「適正価格」があやふやになってきた株式市場で、変動率を重視するリスクパリティファンドの存在感が大きくなり、変動率が低下している日経平均に資金が流入する構図ができつつある。コロナの感染拡大が財政出動規模の拡大期待も生んでおり、2万6000円台の達成時期がぐっと近づいてきた。

11月16日、日経平均の上昇が止まらない。都内で13日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

<日経平均の変動率が急低下>

前週に29年ぶりの2万5000円台乗せに成功し、週明け16日も一時500円を超える上昇となった日経平均は、一部にあった騰勢後の調整気分を粉砕した。

この上昇基調の背景には、米欧日の超金融緩和が長期化するとの予想が「通奏低音」のように流れていることは間違いない。また、日欧の政策金利がマイナス、米国がゼロという現状では、債券市場での運用益はどんなにうまく立ち回ってみても、極めて制約される。そこと比較すれば、株式市場で稼げる運用益は相対的に大きくなる。コロナ後の先進国市場で展開されているマネーフローは、株式市場の優位を鮮明にしている。

さらに日本では、日銀が上場投資信託(ETF)を年間12兆円の枠で買い入れることを明らかにしており、下値不安が大幅に後退している。その結果、日経平均ボラティリティインデックス.JNIVは16日に22ポイントと、相場が荒れていた今年3月下旬の60ポイント台から急低下している。

ここに目を付けたのが、変動率が下がるほど収益が拡大できるように金融商品を組成しているリスクパリティファンドの面々だ。複数の市場関係者によると、同ファンドには米系など海外勢だけでなく、最近では国内の資金も流入。当初、早くても12月とみられていた2万6000円台乗せは「指呼の間」となり、今の金融環境が大きく変わらなければ、年内の2万7000円台達成を予想する声も出始めている。

<コロナ拡大が株高のからくり>

一方、前週から増加傾向が鮮明になってきたコロナ感染者の動向が、日本経済と市場にも大きな変動要因として作用し始めようとしている。

政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、11日のNHKとのインタビューで、4段階に分けている感染症の状況に関して上から2つ目のステージ3(感染者の急増)に入った地域では「Go To キャンペーン」を含めた経済・社会活動の制限が必要になるとの見解を示した。

その実現可能性が高まってくれば、政府・与党で議論が進んでいる2020年度第3次補正予算の規模も膨張する公算が大きくなる。公明党の竹内譲政調会長は11日の会見で、15兆円から20兆円を「最低ライン」の規模としたが、感染者の急増は財政支出の拡大に直結するだろう。

過剰流動性の行き先に悩むマーケットは、コロナの感染拡大を経済の打撃というよりも、財政出動の拡大と受け止めて反応する地合いになっている。西村康稔経済財政・再生相が16日の会見で需給ギャップが30兆円程度になると発言した際も、その後に日経平均は上げ幅を拡大した。

世界的に見て、コロナの感染者数が欧米に比べて少ない日本の「見直し」も、海外勢の中で進んでおり、当面は日本株の上昇基調を止める大きな材料は出てこないだろう。

ただ、円高は残り少ない懸念材料の1つだ。例えば、当選が確実視されているバイデン前副大統領の経済対策に対し、財政赤字増大への懸念が何らかの理由で市場に広がりを見せた場合、ドル安の反応が強まれば、ドル/円JPY=EBSは円高に振れるだろう。そのケースでは、日本株高の歩みは止まり、100円に接近すれば、日本株の急落リスクも高まることになる。

依然として、為替が日本株の制約になる構図は残っている。

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編集:石田仁志

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