October 14, 2018 / 10:18 AM / a month ago

コラム:マスク氏の「お目付け役」、テスラ新会長は誰が適任か

[ニューヨーク 11日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は10日、米電気自動車メーカー大手テスラ(TSLA.O)の次期会長の有力候補に、21世紀フォックス(FOXA.O)の最高経営責任者(CEO)を退任予定のジェームズ・マードック氏が浮上したと報じた。

 10月11日、米電気自動車メーカー大手テスラの次期会長の有力候補に、21世紀フォックスCEOのジェームズ・マードック氏が浮上したと英紙が報じた。写真はテスラのマスクCEO。香港で2016年撮影(2018年 ロイター/Bobby Yip)

マードック氏はテスラの他の取締役よりはましだろう。

しかしテスラのマスクCEOがすかさずツイッターにFTの報道を否定する投稿を行い、マスク氏の暴走を食い止めるには外部から強力な人材を招く必要があることが改めて浮き彫りになった。テスラはマードック氏よりも優れた人材を探し出すことは可能だ。

テスラとマスク氏は、テスラの株式非公開化計画についてマスク氏がツイッターに不適切な投稿を行った問題で米証券取引委員会(SEC)と和解。テスラは和解合意の一環として、独立性を持つ取締役会会長を任命する必要がある。

テスラには独立性があると言い切れる取締役が3人しかおらず、マードック氏はその1人。他の取締役はマスクとの関わりが深すぎる。

マードック氏は21世紀フォックスのような大手上場企業を率いた経歴も持つ。メディア界の大立者である父親のルパート・マードック氏と二人三脚だったとはいえ、少なくとも株主と経営陣の凝り固まった関係にどう対処するかも理解している。ただ、自動車業界に関わった経歴はなく、2011年には電話の盗聴を巡る疑惑が発覚してニューズ・インターナショナルの会長職から退任せざるを得なくなった。

さらに、マスク氏がFT紙の報道直後にツイッターに報道内容を否定する投稿を行ったことで、マードック氏など取締役会の他のメンバーがマスク氏を抑え込めていない状況が露わになった。

 10月11日、英紙フィナンシャル・タイムズは、米電気自動車メーカー大手テスラの次期会長の有力候補に、21世紀フォックスCEOを退任予定のジェームズ・マードック氏(右)が浮上したと10日報じた。ロンドンで2016年3月撮影(2018年 ロイター/Neil Hall)

次期会長の選定についてマスク氏に公の場での意見表明を許し、実際には何の発言権も持たないのに中心的な役割を果たしているような印象を与えた。テスラはSECとの和解にあたり、マスク氏の情報発信を監督する委員会を設置することにも合意している。

これまでのところ取締役会は、当初マスク氏がSECとの和解を拒否した際にみせたようにマスク氏を支持するか、厄介な問題に口をつぐむか、2つの対応しか取らず、非現実的な経営目標の発信を明確に食い止めることはなかった。

こうしたことを考えると、テスラにとってはマードック氏を会長に据えるより、もっと立派な人材を外部から登用する方がよい。例えば、元フォード・モーター(F.N)CEOのアラン・ムラーリー氏や、元ボーイング(BA.N)CEOのジム・マクナーニ氏などがおり、押しの強い人物というなら元米国家経済会議委員長のゲーリー・コーン氏もいる。

テスラにとっては、マスク氏に対して愛するがゆえに厳し態度で接するだけでなく、投資家との関係や量産に向けた態勢、財務状況の改善を図ること宿題となっている。

●背景となるニュース

*FTは10日、21世紀フォックス(FOXA.O)CEOを退任予定のジェームズ・マードック氏がテスラ次期会長の有力候補に浮上したと報じた。

*テスラのマスクCEOはツイッターに「これは誤りだ」と投稿し、FT紙の報道を否定した。

*テスラとマスク氏は、テスラの株式非公開化計画についてマスク氏がツイッターに不適切な投稿を行った問題でSECと和解。テスラは和解の一環として、独立性を持った取締役会会長を11月13日までに任命する必要がある。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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