for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:トヨタとVWも乗り出したハイテク企業との提携

 5月24日、自動車メーカーとハイテク企業が提携する動きが相次いでいる。写真は、配車サービスのウーバーとライドシェア事業で提携するトヨタのロゴ。都内のショールームで11日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai/File Photo)

[ニューヨーク 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 自動車メーカーとハイテク企業が提携する動きが相次いでいる。トヨタ自動車7203.Tと配車サービスのウーバー・テクノロジーズは24日、ライドシェア事業で提携すると発表。その何時間か前には、フォルクスワーゲンVOWG_p.DEがタクシー配車サービスを手掛けるイスラエルの新興企業ゲットとの提携を発表した。

これらの提携は、ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nによる配車サービス新興企業リフトへの出資や、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)FCHA.MIとグーグルとの連携に続く動きだ。いずれの案件でも、自動車メーカー側は提携先からライドシェア事業や自動運転車に関する新たな事業機会について多くのことを学び取ることができるが、将来に不安を感じている自動車メーカー側よりもハイテク企業側の方が得るものが大きい。

トヨタは片足を現在に据え、即効性のある戦術を提携に盛り込んでいる。トヨタのウーバーへの出資(出資額は未公表)には、ウーバーの運転手にトヨタ車をリースする条項が含まれている。ウーバーの運転手は自分の売り上げをリース費用の支払いに充当することが可能となる。GMはリフトとの間で同様の事業を展開すると予想されている。排ガス不正問題に見舞われているVWは、より明確に将来像を描いている。VWはゲットに3億ドルを出資すると発表した中で、2025年までに「こうした新たなビジネスモデルからの販売収入がかなりの比率」を占めるようになるとの見通しを示した。

少なくとも自動車メーカー側は、築き上げてきた確固とした立場から動き出しつつある。米国の自動車販売は昨年、過去最高を記録し、GMなどの利益は急増している。こうした状況により、シリコンバレーのハイテク企業による自動車分野への進出に対抗する実験が、より受け入れられやすくなった。結局、グーグルの持ち株会社であるアルファベットGOOGL.OやアップルAAPL.Oなどの企業はエンジニアや自動車の専門家といった人材を引き抜いている。これらの企業は明らかに、運転手抜きで走行できる自動車や、仕事や娯楽に関連したあらゆる機器に接続可能な自動車、そして車を自己所有しない将来世代という可能性も提供し得る自動車へ向かって急速に強まりつつある大きな流れを感じ取っている。

既に動き出しているのは、ソフトウエアはハードウエアに匹敵するという考えだ。こうした見方は、自動車メーカーが本拠を構えるデトロイトやウォルフスブルグよりも、シリコンバレーを抱えるカリフォルニア州北部で広がる傾向にある。それでも過去1世紀にわたってほぼ同じ道を歩み続けてきた自動車業界を根底から覆す手法を確立するには、科学技術、規制、製造、価格設定といった点で克服しなければならない課題が待ち構えている。危険なのは、ハイテク企業が支配する構図の中で自動車メーカーがありふれた生産受託業者となってしまう事態だ。

結局のところ、7年前に創業したウーバーの時価総額は630億ドルでGMやフォードを上回る。アップルとアルファベットはフォルクスワーゲンよりも多くの手元資金を保有している。自動車メーカーとハイテク企業の新たな提携の動きは、力を失ってしまうリスクをヘッジする自動車メーカー側の最善の取り組みを示しているのかもしれない。だが、やや熱狂した提携の相次ぐ動きからは、熱気だけが排出されている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up