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コラム:トランプ米大統領の訪中、金融業界は「蚊帳の外」
2017年11月3日 / 00:06 / 21日後

コラム:トランプ米大統領の訪中、金融業界は「蚊帳の外」

[ワシントン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ホワイトハウスが中国で楽に得点しようとする中、金融サービス会社は脇に追いやられている。トランプ米大統領のアジア歴訪で、エネルギーやゼネラル・エレクトリック(GE)GE.Nなどの製造業は中国の新指導部と親密になる機会を得るだろうが、ウォールストリートからは同行しない。

 11月1日、トランプ米大統領(左)のアジア歴訪で、ゼネラル・エレクトリックなどのエネルギー、工業企業は中国の新指導部と親密になる機会を得るだろうが、金融業界は同行しない。写真右は中国の習近平国家主席。米フロリダ州で4月撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

米通商使節団の構成は、トランプ大統領が国内的に宣伝になり、かつ容易にまとめられるディールを重視しているが、中国からより深い譲歩を引き出すことは見込み薄ということを反映している。

トランプ大統領は8日に北京入りする予定。米政権は、大統領の訪問中に写真撮影や記者会見の機会となる発表を求めている。事情に詳しい関係筋がBreakingviewsに述べたところによると、使節団への参加を申請した企業は、現地で発表できるような中国とのディールがあるかどうか、質問を受けたという。米国の利益となる数十億ドル規模の販売や投資が見込まれている。目玉の一つは、テキサス州と米領ヴァージン諸島におけるシノペック(0386.HK)(600028.SS)の700マイルのパイプラインで、投資規模は約70億ドルに達する可能性があるという。

米通商使節団にはGEのほかに、ハネウェル(HON.N)、サーモ・フィッシャー(TMO.N)、シェニエール・エナジー(LNG.A)などが参加する。これらの企業は、共産党大会が終了し新指導部が発足したばかりという絶好のタイミングで、中国のリーダーたちと面会することになる。

一方、米政府は引き続き、金融サービスを含む米企業の中国での市場アクセス改善という厳しい交渉に取り組んでいる。ある米政府高官は10月31日、交渉がより困難になったと話した。中国は、市場原理を尊重する気がほとんどみられない習近平国家主席が取り仕切っている。

金融サービスセクターに対する出資上限引き上げを巡る交渉では、一定の進展がみられるものの、最終的にはまだ合意しておらず、シティ(C.N)やゴールドマン・サックス(GS.N)など大手が米通商使節団に参加しないことは、大幅な譲歩が近いわけではないことを示唆している。在中国米商工会議所のウィリアム・ザリット会頭は、構造改革を求める必要性よりも単発のディールが重視されないよう望んでいる、と語った。

国内の金融産業を外国との競争にもっとさらすよう、中国政府を説得するのは、モノを売るよりも難しい。トランプ政権は、金融セクターの懸念に無関心ではないものの、写真映えするような譲歩が見込めないため、金融は今回、列の後方に押しやられることになった。

●背景となるニュース

*トランプ米大統領は11月3日から、12日間の日程でアジア歴訪を開始。日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪問する予定だ。歴訪では北朝鮮問題と経済関係が主な議題になるとみられている。

*中国を訪問する米通商使節団にはGE、ハネウェル、サーモ・フィッシャー、シェニエール・エナジーなどが参加予定。トランプ政権は、テキサス州と米領ヴァージン諸島におけるシノペックとの700マイルのパイプライン合意を発表することを望んでいる。シノペックは、マサチューセッツのアークライト・キャピタル、コネティカットのフリーポイント・コモディティーズとパートナーを組むとみられる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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