July 4, 2018 / 4:38 AM / 3 months ago

コラム:WTO脱退、トランプ氏の自己達成的予言か

[ワシントン 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 世界貿易機関(WTO)からの脱退は、トランプ米大統領にとって自己達成的な予言なのかもしれない。現政権下で米国はWTOで大きなターゲットとなる特異な状況にある。

 7月3日、世界貿易機関(WTO)からの脱退は、トランプ米大統領(写真)にとって自己達成的な予言なのかもしれない。ウエストバージニア州で撮影(2018年 ロイター/Leah Millis)

今年のWTO提訴の約70%は米国の新関税に関するもの。ホワイトハウスも懸案に強力には対応しておらず、米国が敗訴で記録をつくる状況に傾けばWTOへの不満は増大する一方だろう。

トランプ大統領はWTOやその他の国際機関を蔑視してきた。2日には、WTOは米国を「極めて不当に」扱っており、米国を適切に扱わなければ、「何らかの行動」を起こすと警告。米ニュースサイト「アクシオス」によると、大統領は側近とWTO脱退について協議し、規則に従わない法案の作成を命じた。

これまでの米国のWTO訴訟での成績は良好だ。ケイトー研究所のダン・イケンソン氏によると、起こした訴訟の91%で勝利、起こされた訴訟の約89%で敗れているが、これは平均よりも良い結果となっている。WTO訴訟はある国が強い根拠をもった場合にのみ行うのが通例で、提訴側が勝利をおさめるケースが多い。

米国はオバマ政権時代に中国を相手取った訴訟を16件起こし、いずれも勝訴した。しかしアルミニウム補助金など前政権の末期にかけて対中国で起こした訴訟のほとんどは、トランプ政権下で棚上げとなっている。

一方、各国は米国を相手に訴訟に乗り出している。

2日はロシアが他の6カ国に足並みを揃え米国の鉄鋼・アルミニウム関税を巡りWTOに提訴。中国も500億ドル相当の対米輸出について訴訟を起こした。一方、今年中国を相手取った訴訟は約11%にとどまっている。

WTOで対米訴訟が増加すれば、米国の負けは勝ちより多くなる。米議会はWTO脱退を阻止できるが、大統領に効果的に対抗できる政治的メッセージはまだでてきていない。大統領が予言の遂行に向け突き進む可能性を高めている。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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