February 19, 2018 / 2:13 AM / 4 months ago

コラム:米大手行のCEO報酬引き上げ競争、スノボクロス並み

[ニューヨーク 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米最大手銀6行が最高経営責任者(CEO)に支払う報酬を競って引き上げる動きは、まるでスノーボードクロス競技のようだ。

 2月16日、米最大手銀6行が最高経営責任者(CEO)に支払う報酬を競って引き上げる動きは、まるでスノーボードクロス競技のようだ。写真は、平昌冬季五輪でのスノーボードクロス女子決勝(2018年 ロイター/Mike Blake)

今回の平昌冬季五輪でも行われたスノーボードクロスは、6人の選手が細く曲がったコースを大ジャンプを交えて進み、衝突を避けながら一団となってより速いタイムを競う。最大手行のトップの報酬も似たように先頭を目指してひしめき合う団子レースの様相が強まりつつある。

昨年の報酬額で首位に立ったCEOはJPモルガン(JPM.N)のジェイミー・ダイモン氏で、前年比5%増の2950万ドルだった。これは同行の業績が長らく他行を上回ってきたことや、昨年の株主資本利益率(ROE)が税制改革による調整後で11%を超えた点が反映されている。

逆に最も報酬額が低かったのは、シティグループ(C.N)のマイク・コルバット氏とバンク・オブ・アメリカ(BAC.N)のブライアン・モイニハン氏で、ともに2300万ドル。この結果には株主も文句を言いそうにはない。両行の業績は改善しているとはいえ、最大手行セクターでは何年も下位に低迷しているからだ。

それでも2300万ドルという報酬額は、ダイモン氏に大きく水をあけられていない水準を保っている。

コルバット氏の報酬額が前年比で48%も急増したため、そうした位置を確保できた。シティの昨年の好調な業績に連動した形だが、コルバット氏と他の重役との兼ね合いからこうした報酬額になった面もあるとシティは説明している。

ゴールドマン・サックス(GS.N)の取締役会がロイド・ブランクファイン氏の報酬額を9%引き上げて2400万ドルにしたのも、同じような思考が働いたからかもしれない。ゴールドマンの昨年の増収率と増益率が税制価格による調整後で5%未満にとどまったことを考えると、この引き上げ幅は大きいように見受けられる。ましてゴールドマンは昨年、トレーディング部門が不振だった。

結果としてブランクファイン氏の報酬額は、コルバット、モイニハン両氏を抜いたものの、モルガン・スタンレー(MS.N)のジェームズ・ゴーマン氏に及ばず第3位だった。ゴーマン氏の報酬額は20%増の2700万ドル。モルガン・スタンレーがROEの目標を達成したご褒美でもある。ただし同行の特殊要因除くROEは9.2%で、ゴールドマンの調整後ROEの9.8%を下回っている。

「6番目の選手」であるウェルズ・ファーゴ(WFC.N)は、まだティム・スローン氏の昨年の報酬額を公表していない。しかし不正問題に関して自らが指揮した内部調査で昨年新たな問題が発覚したことや、米連邦準備理事会(FRB)による業務制限命令などを踏まえれば、スローン氏だけは報酬額レースから脱落してもおかしくはない。

●背景となるニュース

*ゴールドマン・サックスのブランクファインCEOの昨年の報酬額は2400万ドルで、前年比9%増加した。同行が16日に開示した書類で判明した。

*シティが16日に開示した書類によると、コルバットCEOの昨年の報酬額は2300万ドルで前年比48%増加した。

*JPモルガンは先月、ダイモンCEOの昨年の報酬額が5.4%増の2950万ドルだったと発表。モルガン・スタンレーは、ジェームズ・ゴーマンCEOの報酬額を昨年20%増やして2700万ドルにしたと説明した。バンク・オブ・アメリカは9日、モイニハンCEOが昨年受け取った報酬額は前年比15%増の2300万ドルだったと明らかにした。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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