February 5, 2018 / 2:09 AM / 5 months ago

コラム:米株式市場、3つの不吉なシグナル点灯

[ロンドン 2日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米株式市場では、不吉なシグナルが3つ同時に点灯した。2日発表の1月米雇用統計で賃金が約8年半ぶりの高い伸びを示し、米国債利回りは4年ぶりの水準に上昇、米大手銀のまとめた指標もリスク資産の強い売りの発生を警告したからだ。米連邦準備理事会(FRB)や企業がこれらの事態にどう対応するかを巡って、投資家が不安を抱くのは無理もない。

 2月2日、米株式市場では、不吉なシグナルが3つ同時に点灯した。NY証券取引所で撮影(2018年 ロイター/Lucas Jackson)

1月雇用統計の時間当たり平均賃金の前年比上昇率は2.9%と2009年以来の高い伸びを示し、物価上昇率がFRBの目標に向かうのに必要と目される3%に接近した。

賃金上昇は労働者には素晴らしいことだが、企業にとっては減益要因で、株主は歓迎しない。また大幅な賃上げは米金利上昇を加速させるかもしれない。米景気は順調に拡大して失業率は4.1%と17年ぶりの水準まで下がっており、パウエル次期FRB議長が投資家の見込みよりも速いペースで金融引き締めを進めてもおかしくない。

そうした見立てが米国債市場を動揺させているのは確かで、10年債利回りは一時2.85%と4年ぶりの水準に上がった。指標となる10年債利回りの上昇で企業の借り入れコストは膨らむだろう。さらに国債利回りの上昇により、資産運用会社はリスク資産への投資を見直す可能性がある。特に米国株は、S&P500種総合指数がこの1週間で3%下落したとは言え、引き続き好材料をほぼ完全に織り込んだ水準にあり、見直しの対象となりそうだ。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)の試算によると、世界の株式市場の時価総額は2009年の57兆9000億ドルから86兆6000億ドルへと膨らみ、16年の安値からは29兆9000億ドルも増えた。株式市場への資金流入が過去最高水準で、ヘッジファンドのリスク志向があからさまなことから、BAMLのリスク選好度を測る独自指標は、リスク資産の下落を示唆している。

3つの不吉なシグナルは、株式市場が反転下落に向かう引き金となり得る。

●背景となるニュース

*米労働省が2日発表した1月雇用統計は、時間当たり平均賃金が前年同月比2.9%上昇と2009年6月以来の高い伸びとなった。

*雇用統計の発表を受けて、米10年債利回りは一時2.85%と4年ぶりの水準に上昇した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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