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コラム:FRB議長、トランプ氏に規制肯定のメッセージを発信
2017年8月27日 / 23:53 / 3ヶ月後

コラム:FRB議長、トランプ氏に規制肯定のメッセージを発信

[ワシントン 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、トランプ大統領に対して自らの立場をはっきりと表明した。ワイオミング州ジャクソンホールの年次経済シンポジウムで、イエレン氏は10年前の金融危機以降の規制強化の正当性を擁護するとともに、国際的な金融規制整備で米国が引き続き指導力を発揮していくべきだと提言した。

 8月25日、イエレン米FRB議長(写真)は、トランプ大統領に対して自らの立場をはっきりと表明した。ワシントンで7月撮影(2017 ロイター/Carlos Barria)

一方、トランプ氏は金融規制改革を撤回したい考えで、次期FRB議長を検討する際にこの方針が1つの判断材料になる可能性がある。

イエレン氏は、米金融規制改革法(ドッド・フランク法)を改めて支持し、銀行の資本増強義務化などの改革は経済成長を損なわずに金融システムの耐久性を「著しく強めた」と説明した。また金融安定監督評議会(FSOC)の創設は、リスクの高い金融活動を決して見落とさない仕組み作りに向けた重要な一歩であり、バーゼル銀行監督委員会や金融安定理事会(FSB)を通じて米国が規制の国際協調に努力してきたことで、金融システムはより安全になった、と主張した。

イエレン氏は、例えばより規模の小さい銀行の中小企業向け融資を促進するような方向であれば、規制見直しは相応の価値があると語った。ただしどんな修正も小幅にとどまるべきだとしている。

対照的にトランプ氏は、金融規制改革法の大幅な見直し、国際機関に対しては「米国第一主義」で臨むと約束。FSOCにはノンバンク分野で金融システム上重要な機関の新規指定を凍結するよう命じた。

そのトランプ氏は、次期FRB議長候補の1人としてゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長を検討している。もっとも25日の英紙フィナンシャル・タイムズによると、コーン氏はトランプ政権がネオナチその他の人種差別主義集団をもっと強く非難すべきだと発言したとされ、少なくとも一時的にトランプ氏のコーン氏への気持ちが冷えてしまうかもしれない。

トランプ氏は、来年2月に任期を終えるイエレン氏を再任する可能性もあると述べている。FRBは今年2回利上げしたが、イエレン氏は金利正常化には慎重な姿勢。実質ゼロ金利を解除した2015年から、次の利上げまでは1年近くかかっている。

イエレン氏は今回のシンポジウムで、当面の金融政策運営には言及しなかった代わりに、控え目かつ補足的に規制に関する自身の哲学を打ち出した。それはトランプ氏の好む姿勢ではなく、コーン氏の方が規制緩和に前向きだ。だがトランプ氏は、イエレン氏が金融政策においてハト派的な面は気に入っている。結局イエレン氏は、トランプ氏に考えるべき材料を多く提供したことになる。

●背景となるニュース

*イエレンFRB議長は、ジャクソンホールの年次経済シンポジウムで講演し、2008年の金融危機以降に施行された規制は、「借り入れの利用可能性や経済成長に制約を与えずに、金融システムの耐久性を著しく強めた」と評価した。

*トランプ大統領は就任後、金融規制改革法の大幅な修正を行うと表明。これに関してイエレン氏は、各種規制は見直す価値があるものの、枠組みの調整は小幅にとどめ、金融システムの耐久性を強める効果は残すべきだと訴えた。

*2018年2月に任期を終えるイエレン氏にとって、ジャクソンホール会合出席は恐らく今回が最後となるかもしれない。トランプ氏は、コーン国家経済会議委員長が次期FRB議長候補の1人だと話している。ただイエレン氏が再任される可能性もある。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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