July 20, 2018 / 1:09 AM / 3 months ago

ロイター企業調査:日本に適した物価、「1%以下」が6割超

[東京 20日 ロイター] - 7月ロイター企業調査によると、日本経済に適した物価を「1%以下」とみる企業が6割以上に達していることがわかった。日銀が掲げる物価目標2%の達成時期も「3年後以降」、あるいは「達成不可能」と答えた企業があわせて7割にのぼる。日銀がこのまま物価目標を維持すべきとの回答は46%と昨年8月調査時点の53%から減少。「引き下げるべき」との回答が増えた。

 7月20日、7月ロイター企業調査によると、日本経済に適した物価を「1%以下」とみる企業が6割以上に達していることがわかった。写真は日本円紙幣。2011年8月撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

この調査は、7月2日から13日にかけて実施。資本金10億円以上の中堅・大企業483社に調査票を送付。回答社数は245社程度。

最新の5月全国消費者物価(CPI)の上昇率は0.7%で、日銀が掲げ続けている2%には程遠い。現在の日本経済にふさわしいインフレ率を企業に聞いたところ「1.5─2.0%」が10%、「2%超」が2%と、日銀の物価目標の2%前後が適当とみている企業は1割強にとどまった。

一方、「0.5─1.0%」との回答が最も多く42%、次いで「1.0─1.5%」が24%となった。0.5%以下と考える企業と合わせて、全体の87%が物価上昇率は1.5%以下が適当とみている。

日銀がこれだけの金融緩和を続けても物価が上がりにくい理由を聞いたところ、賃金の伸び悩みと社会保障などの将来不安の2つをあげる企業がほとんどだった。

「国全体のデフレマインドと、企業業績が良くても賃金が上がらないことが影響」(非鉄金属)など、賃上げが不十分であることは企業も認識している。

社会保障負担が年々増加し、可処分所得を圧迫していることも理由とされる。「社会保障制度をはじめ国民の将来不安への抜本的な対策の打ち出しと実行が必要」(卸売)との声が多数寄せられた。

さらに「人口減少により総需要が減るので物価は上がりにくい」(不動産)、「お金を使う層がいない。老人は買うものがなく、消費性向の最も高い30代後半から40代前半は就職氷河期で痛めつけられている」(不動産)といった構造的な問題を指摘する声もある。

日銀が2%の物価目標を掲げてマイナス金利政策を継続していることについて、「目標を維持すべき」との回答は46%と半数近くにのぼったが、昨年8月調査での53%からは減少している。一方で、「目標を引き下げるべき」が28%、「目標設定をやめるべき」が24%と、過半数の企業が2%の目標に否定的だ。

「物価の上昇は日銀の責務」(小売)として目標維持に賛成する声がある一方、「ネット販売にシフトしている世の中で物価上昇は考えられない」(サービス)、「国民はインフレを期待していない」(機械)との指摘がある。また、「日本経済が継続的に成長できる目標を設定すべき」(建設)など、現実に即した政策を求める声が出ている。

物価が2%に届く時期は2年以内が15%、3年以内が14%で、3年後までに達成可能との見方は3割程度にとどまる。3年後以降が44%。達成不可能との見方も27%に上った。

中川泉 編集:石田仁志

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