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〔アングル〕地銀再編へ暗黙の圧力 金融庁が検査・監督方針で示唆

[東京 6日 ロイター] - 金融庁が6日発表した2013事務年度(13年7月─2014年6月)の検査・監督方針には、地銀の再編を後押しするかのような文言が盛り込まれた。現状の経営体質は総じて健全度が高いものの、長期的な人口減などで業界淘汰(とうた)は不可避というのが同庁の見方。監督内容がどう変化してくるか、地銀関係者の注目が高まっている。

今回、主要行・中小地域金融機関向け監督方針に盛り込まれたのは、「経営陣が責任ある迅速な経営判断をするとともに、5─10年後を見据えた中長期の経営戦略を検討することが重要」とする一文だ。

金融庁は監督を通じ、銀行がビジネスモデルの持続可能性について適切に検証しているか、短期・中長期の経営戦略が描けているか、などを確認する。監督方針の中には、「必要に応じて経営陣と議論するとともに、さらなる検討を促していく」とも明記されている。従来の検査基本方針に代わる「金融モニタリング基本方針」にも同様の文言が盛り込まれた。

この一文について、野村証券金融経済研究所のエクイティ・リサーチ部、地銀担当アナリスト佐藤雅彦氏は「再編促進を連想させる表現」と指摘する。複数の地銀関係者も「暗黙のプレッシャー」と受け止めている。     <ビジネスモデルの持続性を疑問視>   

地銀の経営をめぐる外部環境は、リーマン・ショック後の混乱時から持ち直している。有望な融資先は依然、少ないとしても、株式や国債の運用で利益がでており、自己資本も手厚い。「あえて再編に乗り出すインセンティブはない」とある地銀関係者は語る。   

こうした地銀の認識に対し。金融庁は「現在のビジネスモデルに何十年もの持続性があるとは考えにくい」(金融庁幹部)と、いら立ちを募らせている。国内人口の減少で、地域経済の縮小や、預金量の減少が顕在化するおそれがあるとの問題意識があるためだ。

昨年末から今年初めにかけて金融庁は、地銀に対し、中長期的なビジネス展望のヒアリングを実施してきた。地銀の経営環境が先細りする中、金融庁は「現経営陣が自身の任期さえ大過なく過ごせればいいという発想があるなら見過ごせない」(金融庁幹部)とみているためだ。

今回示した検査・監督方針は、こうした取り組みを明確に示す内容となった。現時点で各行が描く長期展望を前提に、現経営陣が自身の任期中にどこまで実行する考えなのかを詰めていく構えだ。ある金融庁幹部は「10─20年後に今の数だけ地銀があるとは考えにくい」と口癖のように語る。

ただ、地銀の間で一気に再編の動きが高まるかどうかは不透明だ。自己資本比率の水準が高く、利益もでている現状では、再編へのインセンティブが働きにくいとの見方も根強い。野村の佐藤氏は「地銀側に危機感の広がりが乏しい」と指摘、現在のオーバーバンキング状態がただちに解消に向かう可能性には否定的だ。 (Reporting By 平田紀之、取材協力:江本恵美※)

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