*2段落目に社長交代の理由を加えました。
[東京 26日 ロイター] スクウェア・エニックス・ホールディングス9684.Tは26日、2013年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終損益が130億円の赤字に転落すると発表した。従来予想は35億円の黒字で、前年同期は60億円の黒字だった。欧米の家庭用ゲーム機の大型ソフトが計画を下回ったことなどが響く。
また、同社は経営体制刷新のため、和田洋一社長が退任し、松田洋祐代表取締役が次期社長に就任すると発表した。6月下旬に開催する株主総会で正式に決定する。広報担当者によると、和田社長はゲーム業界の変化が激しいなか、現行のままでは業績が改善できないと判断し、体制の刷新を決めた。同社長はスクエニHDからは完全に退任するが、今後も「スクエニに対し何らかの手伝いをしていきたい」意向という。
13年3月期の業績については、売上高を従来予想の1500億円から1450億円(前年同期は1278億円)に、営業損益も従来予想の75億円の黒字から60億円の赤字(同107億円の黒字)に、それぞれ下方修正した。営業赤字に転落するのは、旧スクウェアと旧エニクッスが03年4月に合併して新会社が発足してから初めて。
昨年8月に発売の「スリーピングドックス」、同11月の「ヒットマン・アブソリューション」、今年3月に発売したばかりの「トゥームレイダー」など欧米向けの大型ソフトの販売が伸び悩んだほか、ゲームセンター向け機器の販売も不振。これを受け、ソフトの開発計画や体制を見直すこととし、ソフトの廃棄損・評価損など特別損失100億円を計上するため、最終赤字に転落する見込みとなった。
(ロイターニュース 村井令二 大林優香;編集 吉瀬邦彦)