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〔焦点〕日米航空協議、米反トラスト当局による航空グループの扱いがかぎ

 [ワシントン 23日 ロイター] 日米航空当局が航空自由化(オープンスカイ)協定の締結に向け交渉を再開することで合意し、米航空会社はオバマ政権が実利を得るよう期待している。こうしたなか、航空グループに対する米国の反トラスト当局による厳密な審査が、合意の締結に影を投げ掛ける可能性がある。

 専門家は、米国の都市と東京間の路線の増便を可能にするオープンスカイ協定が締結されれば、2つの航空会社グループが路線の増設や新設を申請する可能性があると指摘する。

 55年前に結ばれた日米協定の下、現在は2008年にノースウエスト航空と合併したデルタ航空DAL.N、およびUALUAUA.O傘下のユナイテッド航空の2社のみが東京への旅客便の運行を容認されている。

 日本航空(JAL)9205.Tと全日本空輸9202.Tも同様に、米国の都市への就航を許可されている。

 オバマ政権は協議の進展を歓迎しているものの、日本との合意締結の成功が、米国の反トラスト法からの免責を条件とする規制当局の承認いかんであるなら、その立場は微妙だ。

 航空グループに加盟する各航空会社は、共同で価格を設定したり運行スケジュールを組むことが可能だ。反トラスト法は適用されず、米航空セクターにとって、加盟することは、合併や海外への大規模投資に対する有利な代替手段となっている。

 一方、現在は運輸省の規制当局者が担当する航空グループの審査に、今後、司法省がより深く関与する可能性がある。ただ、司法省は、消費者の便宜が図られない限り、このような案件には懐疑的な立場で、議会も同様の姿勢を見せている。

 米下院は航空グループを3年かけて段階的に廃止する計画を承認。これによりグループの設立や維持はそれほど魅力的ではなくなる可能性がある。また、司法省の規制当局者は、反トラスト問題にかかわる航空グループの形成には、より厳格に対処するとみられている。

 次回の日米協議は10月26日から東京で行われる。オバマ政権は12月の交渉終結を望んでいる。

 国務省の当局者で米交渉責任者のジョン・バイヤリー氏は、日米間の協議は進展しているとした一方、交渉の詳細や障害については言及を避けた。

 別の関係筋は協議の期間について、可能だが野心的だ、と述べた。

 <JAL争奪戦、勝者はAMRかデルタ航空か>

 米航空業界は長年、成田空港と羽田空港への路線の増設に焦点を当ててきた。

 JALの乗客減少と財務問題がこの夏の航空交渉のきっかけとなった。日米間の合意はJALにとり、米航空会社から資本の受け入れる上で望ましく、提携の強化に必要だ。

 関係筋によると、航空グループ、ワンワールドでJALと共同運航(コードシェア)を実施しているAMRAMR.N傘下のアメリカン航空と、スカイチームに加盟するデルタ航空が、資本出資と提携強化をJALに打診した。

 全日空もまた、スター・アライアンスに共に加盟するユナイテッド航空と何らかの合意を結ぶ可能性がある。

 米当局の動向に詳しいある業界筋は「米交渉団はオープンスカイ協定の締結を切望しているが、4航空会社の2つのグループへの集約を認める準備はできているだろうか。これは数々の問題を引き起こす可能性があるとみている」と述べた。

 オバマ大統領を熱心に支持する労働組合の懸念もまた、航空グループに対する政府の審査に影響を与える可能性がある。

 労組に加盟するパイロットは、一部のケースで海外フライトの削減につながったとの理由で航空グループを批判しており、政権と議会に対し、雇用の保護を求めている。

 国際航空運送協会(IATA)のディレクター・ゼネラル、ジョバンニ・ビジニャーニ氏は前週、ワシントンで政府当局者と会談し、航空グループの形成を妨げることと外国資本を制限することは保護主義的であり、航空業界と世界経済に対する「理解の欠落を示している」と述べた。

 ビジニャーニ氏は「航空会社は、他の業界と同様、営業の自由が必要だ。自動車や通信、製薬はすべて世界的資本から利益を得ている戦略的な業界だ。なぜ航空業界に異なる扱いをするのか」と語った。

 アメリカン航空と英ブリティッシュ・エアウェイズBAY.Lによるワンワールドの下での提携強化の提案は現在、規制当局の審査を受けており、日本はこの行方を注視している。

 (John Crawley記者;翻訳 山口 肇;編集 宮崎 大)

(hajime.yamaguchi@thomsonreuters.com; 03-6441-1779; ロイターメッセージング:hajime.yamaguchi.reuters.com@reuters.net)

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