July 7, 2020 / 4:37 AM / a month ago

アングル:コロナで資金調達活発化、転換社債が07年以来の発行規模

[ロンドン 3日 ロイター] - 今年これまでの転換社債(CB)発行規模が、2007年以降で最大を記録している。新型コロナウイルス感染拡大がもたらした経済的な苦境を乗り切る資金を調達する目的で、企業が相次いでCBを利用しているためだ。

 7月3日、今年これまでの転換社債発行規模が、2007年以降で最大を記録している。新型コロナウイルス感染拡大がもたらした経済的な苦境を乗り切る資金を調達する目的で、企業が相次いで転換社債を利用しているためだ。写真は3月31日、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのサラエボで撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

リフィニティブのデータによると、年初来のCB発行総額は約890億ドルに達した。大半は米国で販売されているが、欧州でもロックダウンの終了の動きに伴って、また企業がバランスシート強化を目指す中で、発行が増えつつある。

CB市場の動きという面で、今のコロナ危機と2008年の金融危機は対照的と言える。08年当時は、低格付けや無格付けの企業が発行したCBを保有していたヘッジファンドが大損害を被り、市場が崩壊してしまった。

JPモルガンの欧州・中東・アフリカ地域エクイティ関連責任者Virginie de Grivel Nigam氏は「今回のコロナ危機が始まった時点で、企業は資本と流動性の確保に動こうとした。そして株式市場と債券市場が機能を停止した際にも、(CB)市場は依然として稼働していた」と述べた。

同氏は、ドイツの食材宅配サービス会社ハローフレッシュやスペインの旅行業予約システムを手掛けるアマデウス、英ネットスーパーのオカドなどのCBの売り出しに携わった。

低格付けや無格付けの企業にとっては、通常の社債よりもCBの方が発行しやすい。投資家には、金利を受け取りながらエクイティ価格上昇が期待でき、新株予約権を行使しなければ満期に元本が戻ってくる性質が好まれる傾向がある。

<ヘッジファンドの影響後退>

CBは金融危機時に大変な逆風に見舞われ、指標であるトムソン・ロイター・グローバル転換社債指数は08年5月から09年3月までに半値以下に沈み、元の水準に戻るまでに何年もかかっている。

バンカーや投資家の話では、当時ヘッジファンドの保有比率が大きかったことが影響した面がある。NNインベストメント・パートナーズの転換社債担当シニアマネジャー、ヤスパー・ファンインゲン氏は、08年のCB投資家のおよそ3分の2はヘッジファンドで、流動性の不足が一段と状況を悪化させたとの見方を示した。

しかしファンインゲン氏によると、今のヘッジファンドの保有比率は20-25%で、残り75-80%はロングオンリー型の投資家や保険会社、資産運用会社、ミューチュアルファンドなどレバレッジをそれほど利かせていない向きが保有している。同氏は、今年のCB市場の規模は、昨年比で800億-1000億ドル拡大する可能性があると予想した。

BNPパリバのエクイティ関連責任者ティエリ・プティ氏は「(欧州の)われわれは、非常な活況が続く米国ほど忙しくないものの、発行予定がかなり入ってきている」と述べた。欧州では年初来で約120億ドルのCBが販売された。

プティ氏は、今回は金融危機時に比べてCB市場が底堅さを保っていると指摘した。実際、トムソン・ロイター・グローバル米ドル建てCB指数は、3月の低迷局面から急速に立ち直り、足元で今年の最高水準に達している。

CB市場の発行体の大部分は無格付けで、投資家の新規参入組の多くが通常の社債や株式からの乗り換えてやってきている、とプティ氏は説明する。

NNインベストメント・パートナーズのファンインゲン氏は「現在の押し目における買い手が果たしてうまく下値を拾ったのか、それとも落ちてくるナイフをつかもうとしたのか、事態を見極めなければならない」と警戒心をにじませた。

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