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アングル:感染増加でまん延防止の延長論浮上、五輪観客見直し議論も

[東京 28日 ロイター] - 東京オリンピックの開幕まで1カ月を切る中で、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が増加している。政府内では、前週比での増加基調が2週間連続で確認されれば7月11日を期限とするまん延防止等重点措置の解除は難しいとの見方が出ている。延長が必要と判断されれば、夜間の無観客なども含めた観客上限の見直しが議論されそうだ。

  6月28日、東京オリンピックの開幕まで1カ月を切る中で、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が増加している。都内で27日撮影(2021年 ロイター/Fabrizio Bensch)

<30日まで感染者増ならリバウンド本格化>

自民党の森山裕国会対策委員長は23日、衆参両院の議院運営委員会を来月8日に開き、まん延防止措置の取り扱いについて政府から説明を受けるとの見通しを示した。政府は8日までに解除・延長判断を行う見通しだ。

焦点は東京の感染状況だ。東京都の新規感染者数は6月中旬に下げ止まり、16日以降は、19日を除いて連日前週比で増加している。

28日までの1週間の平均感染者数は489人となり、感染第3波が急拡大する直前の12月中旬と同水準となった。

政府の専門家メンバーの一人は「1週間の感染者数増加は一過性の可能性があるが、前週比で2週間増加が続けば、その後本格的にリバウンドする可能性が高い」と指摘。「その場合少なくとも7月11日のまん延防止解除は難しい。30日の水曜日には方向性が見える。まん延防止の延長か、緊急事態宣言の再発動かなどは総合的に判断することになる」と話す。

政府は緊急事態宣言に踏み切る条件として、感染状況が政府基準の4段階で最も深刻なステージ4となることを挙げており、東京の場合直近1週間の新規感染者数が500人以上が条件となる。28日時点で1週間の平均が489人とこれに近い水準まで上昇している。一方で、確保病床使用率は27日段階では23%とステージ3の範囲にとどまっている。50%を超えるとステージ4と判断される。

<病床の状況を重視、夜間無観客の提案も>

西村康稔経済再生相は27日、NHKの番組で「病床の状況を重視し、国民の命を守るために必要となれば、まん延防止適用地域に緊急事態宣言を発出することも躊躇(ちゅうちょ)することなく機動的に行うべき」と強調した。

また西村氏は収容人数の50%、最大1万人と決まった東京五輪・パラリンピックの観客上限に関し、「仮にまん延防止措置の延長や緊急事態宣言発動となれば、50%、最大5000人との一般(イベント)ルールを基本として判断される」とも述べた。

もっとも埼玉県の大野元裕知事や千葉県の熊谷俊人知事が、午後9時以降の無観客試合を要望しており、西村氏は大会組織委員会を念頭に、イベント開催の観客判断は「都道府県知事が感染状況をみて上乗せ(強化)可能となっているので、夜は無観客とする判断であれば、よく相談して対応していただきたい」と述べた。

西村氏は同じ番組で試合は「テレビでも十分感動できる」とも強調した。関係者によると、西村氏は感染が急激に悪化し、無観客試合が不可避となる可能性も視野に入れつつあるという。

政府関係者の間では「高齢者のワクチン接種拡大により重症化率が低下すれば、医療ひっ迫の懸念は低下する」(閣僚周辺)との期待がある。しかし「ワクチンを接種していない若年層の活動が活発化し、感染が増えれば、医療はやがてひっ迫する」(専門家)との懸念もある。

11日にまん延防止措置を解除できない場合、単純に延長するのか、4度目の緊急事態宣言発動に踏み切るかは、現時点で未定だ。政府の専門家など関係者は「様々な可能性がある」、「ギリギリまで見極めて総合判断」と解説する。

菅義偉首相は28日、視察先の羽田空港で東京都の新規感染者が増加していることについて「高い警戒感を持って感染対策にあたらなければならない。必要であれば機動的な対応もしていきたい」と述べている。

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