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消費者物価4月は3.2%上昇、増税分除き3月からプラス幅拡大

[東京 30日 ロイター] - 総務省が30日公表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は103.0となり前年比で3.2%上昇した。4月からの消費税引き上げの影響を上回る値上げが幅広い品目でみられ、1991年2月(同3.2%上昇)以来の上昇幅となった。

 5月30日、総務省が公表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は103.0となり、前年同月比3.2%上昇した。都内で3月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

消費増税の影響分を日銀の試算している1.7%と仮定すると、実質上昇率は前年比1.5%となり、3月の1.3%からプラス幅が拡大した格好となる。食品やガソリンなどで増税の転嫁分を上回る値上げが実施されたとみられる。

ロイターがまとめた4月全国コアCPIの民間予測はプラス3.1%だった。

<チーズ10.1%、炊飯器12.6%値上がり>

4月の総合指数は前年比3.4%上昇、食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く指数は同2.3%上昇となった。 指数上昇に大きく寄与した品目は、ビール(外食用)や電気代、宿泊料、ガソリン、傷害保険料、エアコンなど。

また4月の前年比上昇率を3月と比較すると、家庭用耐久財や家庭用消耗品、ガソリン、宿泊料、たばこなどが、増税転嫁幅以上に値上がり。特に輸入チーズ、ワイン、スパゲッティ、白物家電、洗剤などが大幅に値上がりした。輸入チーズは前年比10.1%上昇し、3月の1.4%からプラス幅が急拡大した。炊飯器も12.6%値上がり(3月は同0.8%上昇)した。

5月の東京都区部コアCPIは102.0となり、前年同月比2.8%上昇した。上昇幅は4月の2.7%から拡大した。 ロイターがまとめた民間予測はプラス2.9%だった。

日銀試算に従い消費増税の影響(4月1.7%、5月以降1.9%)を差し引くと、上昇幅は4月より縮小した。宿泊料と外国パック旅行の上昇幅縮小が響いた。

5月の総合指数は前年比3.1%上昇、食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く指数は同1.9%上昇となった。

4月の全国コアCPIについて市場では「増税分を差し引くと想定より高い印象。デフレ脱却の動きが消費増税によりとん挫したという判断はできない」(岡三証券シニアエコノミスト、嶋野徹氏)との見方が聞かれた。

*情報を追加しました。

竹本能文 編集:内田慎一

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