[26日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス・グループがトマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)の退任とともに、資産運用部門を率いるウルリッヒ・ケルナー氏を後任に充てる人事を発表する見通しであることが26日、分かった。事情を知る関係筋2人が明らかにした。
ゴットシュタイン氏がCEOを務めた2年間、米投資会社アルケゴス関連の巨額損失や英金融会社グリーンシルと組んで運用していたサプライチェーン・ファイナンス・ファンド(SCFF)の閉鎖など、不祥事が相次ぎ退任圧力が強まっていた。トップ交代で信用回復を狙う。
関係筋の1人によると、同社は四半期決算を発表する27日にCEO交代も明らかにする見通し。
クレディ・スイスは2021年4月、グリーンシル関連ファンドの閉鎖を受けて分離した資産運用事業の責任者にケルナー氏を招いた。同社から競合UBSに移籍していたケルナー氏は14─19年にUBSアセット・マネジメントのCEOを務めており、スイスではリストラの専門家として知られている。
クレディ・スイスはコメントを控えた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は一方、同社の投資銀行部門を率いるクリスチャン・マイスナー氏が退社する意向だと報じた。
同社の第9位株主である米投資運用会社アーティザン・パートナーズはゴットシュタイン氏を交代させるよう公に呼びかけていたが、アクセル・レーマン会長は5月にゴットシュタイン氏を「全面的に支持する」と述べて擁護していた。
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