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クレディ・スイスに「汚れたマネー」疑惑、調査報道受け当局も対応

[チューリヒ/ウィーン 21日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス(CS)が「ダーティー(汚れた)マネー」スキャンダルに見舞われている。複数のメディアは、CSが人権を侵害した者や詐欺師、制裁を受けた実業家の口座を管理していたと報道。スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は、CSと接触していることを明らかにした。

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は21日、世界の報道機関の調査報道で明らかになった、金融大手クレディ・スイス(CS)の大量の口座情報について、同社に問い合わせをしていると述べた。10日撮影(2022年 ロイター/Arnd Wiegmann)

ある人物が1940年代から2010年代の数十年間に保有されていた口座情報をドイツ紙の南ドイツ新聞に持ち込み、同紙がこの情報を報道の非政府組織(NPO)「組織犯罪と汚職報告プロジェクト(OCCRP)」と46の報道機関に提供。報道機関には米ニューヨーク・タイムズ(NYT)、英ガーディアン、仏ルモンドが含まれる。

「パナマ文書」報道に似た今回の調査報道は20日に公開された。

NYTによると、持ち込まれたデータは1万8000口座以上、総額1000億ドルを超える規模。

RBCのアナリストは「CSにとっては、たとえ疑惑が事実無根だとしても、資産管理のビジネス慣行に疑問を投げ掛け、経営陣は前進よりも火消しに時間を費やさなければならなくなるだろう」と述べた。

CSは20日夜、報道を受けて「当行のビジネス慣行とされることについての疑惑や暗示を強く拒否する」と表明した。

FINMAは「われわれの監督業務はこの数年、マネーロンダリング(資金洗浄)規制のコンプライアンス(順守)に重点を置いてきた」と述べた。

CSは、この問題を「主に歴史的なもの」とし、情報が文脈から切り離されていると付け加えた。

過去3週間にOCCRPから多数の問い合わせを受け、多くの口座を確認したと説明。「点検した口座の約90%は現在閉鎖されている、あるいは問い合わせを受ける前に閉鎖手続きに入っており、60%超が2015年より前に閉鎖されていた」とした。

CSは、残りの口座のチェックについては満足のいく内容だったとしている。

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