[チューリヒ/ドバイ 15日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイス(CS)の株価が15日、26%急落し最安値を更新した。筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンク(SNB)が追加出資はできないと述べたことが材料。
SNBは昨年、CSの増資に応じ、ほぼ10%の株式を取得した。 SNBのアンマル・アルフダイリー会長は15日、「10%を超えてしまうので(追加出資は)できない。規制の問題だ」と述べた。
CSは不祥事が続き、かねてより経営不安がささやかれている。組織改革など立て直しを図っているが2022年は08年の金融危機以来の大幅な赤字を記録。顧客の流出も歯止めがかかっていない。
CSのデフォルト(債務不履行)のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムは上昇。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると5年物は574ベーシスポイント(bp)に拡大し過去最高を更新した。
欧州市場では銀行株が軒並み下落。スイスのUBSが6.8%安、フランスのBNPパリバとソシエテ・ジェネラルは11%超下落。ドイツのコメルツ銀行が10%近く下落しドイツ銀行も8.4%下げている。
UBSのラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)は15日、モルガン・スタンレーの会合で、最近の市場混乱を受けて、同行に資金が流入していると述べた。
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