[チューリヒ/ロンドン 16日 ロイター] - スイス金融大手クレディ・スイスの株価は16日に約18%上昇し、時価総額の4分の1を失った前日の急落分を一部取り戻した。スイス国立銀行(中央銀行)が流動性を供給すると表明したことを受けた。
しかし懸念はくすぶる。JPモルガンは流動性支援は「十分ではない」とし、他の金融機関、特にスイス国内の競合相手であるUBSにクレディ・スイスが買収される可能性が最も高いと指摘した。
シェルター・アイランド・キャピタル・マネジメントの創業者であるルイス・アレンサナ氏はロイターに対し、クレディ・スイスは富裕層顧客による資金引き揚げが続いており、これは「最近の米国での出来事だけに対するパニック的な反応というわけではない」と指摘。「同行は2013年以降、株主資本コストを稼いでいない。それ以来、1株当たり累積2.5フランの損失を出している。これは9年間のうち5年間が赤字であったためであり、1回や2回の大きな一時的要因の結果ではない」と語った。
クレディ・スイスは16日、スイス国立銀行から最大500億スイスフラン(540億ドル)を借り入れる選択肢を行使することで、流動性を強化するための「断固とした措置」を取ると発表した。
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