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インタビュー:日本株は当面アンダーパフォーム=CSの松本氏
2017年4月11日 / 09:11 / 7ヶ月後

インタビュー:日本株は当面アンダーパフォーム=CSの松本氏

[東京 11日 ロイター] - クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部のCIOジャパン、松本聡一郎氏は、この先3カ月程度、日本株はアンダーパフォームするとの見方を示した。

 4月11日、クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部のCIOジャパン、松本聡一郎氏は、この先3カ月程度、日本株はアンダーパフォームするとの見方を示した。写真は都内の株価ボード、2015年4月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

1ドル108円程度まで円高が進む中で、日経平均は1万7000円半ばまで下落するとみる。ただ、世界景気は堅調であるため、ベアマーケット入りではなく、大きなゾーンの中での動きだと話した。

11日、ロイターのインタビューに答えた。

──これからの資産運用で重要なことは。

「キャッシュ・イズ・キングだったデフレの時代は終わりつつある。物価目標のインフレ2%は今の日本の状況からみれば少し高い目標だが、インフレとしてはそれほど高くない。しかし、低いインフレであっても2%の物価上昇が長期間継続すると、何もしなければ資産(現金)は目減りする。30年も続けば半分くらいになってしまう計算だ」

「クライアントの多くは、資産を次の世代に継承していくことをゴールとしている。そういう方々には、資産を増やすというより資産を保全する運用を提案していく。毎年リターンを10%上げるというのではなく、インフレ率を上回る程度のリターンを安定的に上げるのが命題となる」

──世界的に金利が低下する中、安全な運用も難しくなっている。株式などリスク資産へのシフトが進んでいるのか。

「日本は特に経済成長への期待が低くなっている。株式型、成長志向型よりもキャッシュフロー型、イールド投資型を重視する顧客が多い。具体的には安定配当銘柄やREITのほか、外国債券などに幅広く投資するスタイルだ。マーケットニュートラルなヘッジファンドも比較的安定したリターンを得られ、全体のリスクを抑えることができる」

「REITは米市場が中心だが、米金利が上がっていく局面では手が出しにくかった。だが、最近は米金利上昇の可能性も小さくなってきたようだ。10年米国債金利は、2.3%より大きく低下するとはみていないが、2.6%より大きく上昇するともみていない。ゾーンのなかでトレードされると予想している」

──日本株の見通しは。

「トランプトレードは行き過ぎだった。期待先行でマクロ経済とのかい離が大きくなった。期待を正当化するような事象が今後ついてくればいいが、そうではないようだ。期待し過ぎた反動が出てくるだろう」

「1ドル120円というのは行き過ぎた円安だった。いずれ揺り戻しが来るとみていた。我々の3カ月後の予想レートは108円。現在の水準から円高方向にいくので、日経平均も1万7000円台半ばまで下落する可能性がある」

「ただ、ベアマーケットの始まりではない。グローバルな景気回復が続いているためだ。日経平均が1万4000円や1万5000円に向けて下に抜けていく展開は予想していない。株価が下がればまた戻ってくるとみている」

──日本株でネガティブなセクターは。

「米国の自動車は過熱感がある。さらに販売が増えるというよりは一回休むと考えた方がいいだろう。北米でのプレゼンスが高い自動車株や部品関連の銘柄は要注意だ」

「日本の内需関連株は期待が大きかったが、賃金が思いのほか上がらない中で所得は伸び悩み、人口も減少しており、息切れ感がある」

──ポジティブなセクターは。

「トランプ米大統領の政策でもあるが、インフラ投資がテーマになっていく。米国など老朽化が進んでいるためだ。インフラをマネージする企業よりも資材や機械、システムを提供する企業が期待できる。また自動化(オートメーション)関連として、日本はBtoBの電子部品なども競争力が高い」

「エネルギー関連株も期待できる。一部の商社などはコモディティ価格の大幅下落で減損に追い込まれたが、市況の戻りがしっかりしているので、見直される可能性があるとみている」

「設備投資は伸びてくる。輸出堅調で国内の設備はひっ迫感がある。設備の年数も高くなっており、更新需要も大きいだろう」

──政治や地政学リスクへの警戒は。

「潜在的リスクで注意すべきだが、あまり過剰に織り込み過ぎてもいけない。例えば隕石がぶつかることを想定してもしょうがない。合理的に想定できるベースで投資を提案していきたい」

「一方、政治リスクは今年前半、リスク資産の上値を抑えるというシナリオを描いている。ただ、世界のファンダメンタルズは改善トレンドを描いていく。大きなゾーンのなかで行ったり来たりする相場がしばらく続くとみている」

伊賀大記 植竹知子

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