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クレディ・スイス、アルケゴスで第1四半期巨額損失 資本増強策

[チューリヒ 22日 ロイター] - スイスの金融大手クレディ・スイスが22日発表した2021年第1・四半期決算は、税引き前損益が7億5700万スイスフラン(8億2597万ドル)の赤字となった。米アルケゴス・キャピタル・マネジメント関連で多額の損失計上を強いられた。

4月22日、スイスの金融大手クレディ・スイスが発表した2021年第1・四半期決算は、税引き前損益が7億5700万スイスフランの赤字となった。写真はクレディ・スイスのロゴ。チューリヒで14日撮影(2021年 ロイター/Arnd Wiegmann)

ただ、先に発表していた見通しの約9億フランよりは小幅なものにとどまった。

投資損失などで計上した費用は44億スイスフラン。これがなければ、税引き前利益は36億フランと、過去10年で最高益となるはずだった。

純損失は2億5200万フラン。アナリスト17人の予測中央値は8億1500万フランだった。

クレディ・スイスは決算とともに、2億0300万株に転換可能な強制転換社債(MCN)を発行すると明らかにした。20億フラン超の資金を調達するという。中核資本比率は12.2%から13%前後に上昇する見通し。

ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)は声明で、第1・四半期の損失はアルケゴス問題が原因で「受け入れ難い」とした上で、転換社債の発行によりバランスシートを強化し、中核事業の勢いを増すことができるとの見解を示した。

第2・四半期にも、アルケゴス問題は約6億スイスフランの影響を残すと予想。すでに97%の関連ポジションを解消している。

同社はまた、英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルの破綻でも大きな痛手を被った。内部・外部の調査が入ったほか、幹部を更迭する事態に発展している。

スイスの金融市場監視当局は22日、アルケゴスとグリーンシル双方の問題に関連してクレディ・スイスに対する2件の法執行手続きを開始したと発表。リスク管理の不備疑惑を調査するため、第三者機関を設立するという。また、資本サーチャージといった予防措置を取ったことも明らかにした。

クレディ・スイス株は0750GMT(日本時間午後4時50分)時点で3.6%安。アナリストによると、アルケゴス問題による一段の業績への影響や、転換社債発行による株式の希薄化が懸念されている。

<今後数四半期の利益に影響も>

クレディ・スイスの特に堅調だった部門としては、アジア太平洋地域事業が前年同期比154%増の大幅増益を達成したほか、スイス事業の税引前利益は25%増を記録した。この2部門だけは、アルケゴスとグリーンシル破綻の影響を受けなかった。

アナリストらは今回のトラブルについて、向こう数四半期の利益に影響を与えると予想。資本準備金の減少により、リスク選好度が制約されたり、スタッフと顧客の関係が影響を受けたりする可能性があるという。

クレディ・スイスは22日、第1・四半期にコストを前年同期比で2%削減したと発表。報酬費の削減が主因だという。

報酬と福利厚生費用は調整後ベースで前年同期比1億0900万フラン(5%)削減した。デービッド・マザーズ最高財務責任者(CFO)は従業員の維持と報酬はバランスを取る必要があると述べ、損失を出した後に報酬を増やせば株主の理解を得られないと指摘した。

投資銀行部門は税引き前損益が26億ドルの赤字。債券販売・取引は29%、株式販売・取引は23%それぞれ伸びたほか、資本市場や助言関連業務は堅調だったものの、アルケゴス問題の影響を相殺することはできなかった。

一方、グリーンシルに関連した資金100億ドルを運用していた資産運用部門は30%の減益。運用資産は拡大したものの、「重大項目」に伴う収益の減少を回避できなかった。

クレディ・スイスは、グリーンシル問題を受けて同部門の資産査定(デューデリジェンス)を強化していると表明。外部アドバイザーらと協力し、グループ全体のリスクを見直しているとした。

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