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日本株・ドル大台回復せず、米雇用統計後も慎重さ残る
2014年10月6日 / 08:42 / 3年後

日本株・ドル大台回復せず、米雇用統計後も慎重さ残る

[東京 6日 ロイター] - 週明けの東京市場では、日本株やドル/円JPY=EBSの上値の重さが目立った。9月米雇用統計はプラス・マイナス両方の材料が混在し、都合よく解釈できる内容だったが、強気が一度消えた市場では売り材料に目が向かいがちだ。

 10月6日、週明けの東京市場では、日本株やドル/円<JPY=EBS>の上値の重さが目立った。9月米雇用統計はプラス・マイナス両方の材料が混在し、都合よく解釈できる内容だったが、強気が一度消えた市場では売り材料に目が向かいがちだ。2011年8月撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

ショートカバーは入ったものの、景況感は依然慎重。日経平均.N225やドル/円は大台回復に至らなかった。

<強気相場なら申し分ない内容>

9月米雇用統計は申し分ない内容だった。もしくは、申し分ないと解釈できる内容だった。非農業部門雇用者数は24万8000人増と市場予想を上回り、足元の米経済が順調に回復していることを示した。失業率は6年ぶりの水準に低下した。同時に、時間当たり賃金が上昇しなかったことで、金融緩和の長期化への期待も維持された。

以前の強気相場であれば、米2─3年債利回りは上昇する一方、長期金利は抑えられ、米株高、ドル高のダブル高をもたらす内容だった。しかし、強気が薄らいだ今の相場の反応はやや異なる。

3日の市場で、米ダウ.DJIは200ドル超の上昇となったものの、前週のマイナス分を取り戻すには至らなかった。S&P.SPXも2000ポイント台を回復しなかった。米2─3年債利回りは上昇し、米プライマリーディーラーの米利上げ時期予想は前倒しされたが、ドル/円は110円を超えることはなかった。

日経平均は空売り比率が過去最高水準まで高まっていたことで、ショートカバーが入った。しかし、1万6000円の大台回復には至らず、急落前の水準まで戻せないでいる。円安が数少ない買い要因である日本株は、ドル/円の上値が重くなれば買い材料が一気に乏しくなる。「以前はドル上昇の要因ばかり注目されていたが、今はドルの頭を抑える要因が注目され始めてきている」(邦銀)という。

<伸びない賃金>

弱気材料として懸念されたのは、時間当たりの賃金の伸びが鈍いことだ。

9月米雇用統計では、時間当たり賃金は0.01ドル減少と市場予想の0.2%増を下回った。前年比では2.0%増と増加率は前月からやや縮小した。雇用の数は拡大しているものの、賃金上昇率は前年比2%前後で一向に上向かない。

賃金が上昇して来なければ、将来のインフレはマイルドになる。長期金利に乗るインフレプレミアムは小さくなり、利回りを抑えるほか、利上げを急がなくてもいいことになる。「一度利上げした後の利上げペースは、想定より遅くなる可能性がある」(外資系証券エコノミスト)とみられていることが、ドルの圧迫要因となり始めている。

三井住友信託銀行マーケット・ストラテジストの瀬良礼子氏は「非農業部門の雇用者数の数字は強かったが、時間当たり賃金の上昇が全然付いて来ていないし、労働参加率も下がっている。米雇用は改善してきているのだろうが、もろ手を上げて喜べる様子ではない」と指摘。利上げしても長期金利が上がらない「コナンドラム」が再来しそうな気配も感じられるとしている。

さらに米経済が比較的堅調である一方、欧州、中国、そして日本も経済は減速気味だ。低金利といっても10年利回りUS10YT=RRで2.5%付近を維持する米債利回りは投資家にとって魅力は大きい。貿易赤字や経常赤字の縮小、ユーロ安の進行など、金利面だけではないドル高材料もあるが、世界中から資金が米国に流れ込めば、米債利回りはさらに上がりにくくなる。

<新指数「LMCI」>

市場が注目するのは、今晩にも米連邦準備理事会(FRB)が発表するとみられている新しい労働関連の指標だ。

労働市場情勢指数(LMCI)と呼ばれ、失業率や企業の採用計画など、19の指標で構成され、労働市場全体が改善しているかどうかをみることができるという。

三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「この指標で米雇用がまだ安定してないということが示されれば、9月米雇用統計で高まった市場の早期利上げ期待は再び後退するかもしれない」と指摘する。

このLMCIは、雇用統計発表後の最初の営業日の米東部時間午前10時以降に公表される予定となっている。毎回の振れが大きく市場の反応も過敏になる米雇用統計の「カウンター」として今後、効果を発揮することになるのかが、市場の関心を集めている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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