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チャイナリスク関連倒産が急増、中国景気の減速警戒し日本株急落
2016年1月14日 / 21:49 / 2年後

チャイナリスク関連倒産が急増、中国景気の減速警戒し日本株急落

[東京 14日 ロイター] - 中国発の悪材料で経営破たんする「チャイナリスク関連倒産」が日本国内で急増している。2015年は件数で前年比1.6倍、負債総額は11.5倍に膨らんだ。これまでは人件費高騰などコスト増による倒産が多かったが、今後は中国景気減速による悪影響が強まりそうだと懸念されている。

 1月14日、中国発の悪材料で経営破たんする「チャイナリスク関連倒産」が日本国内で急増している。2015年は件数で前年比1.6倍、負債総額は11.5倍に膨らんだ。東証で2015年8月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

日本株は大幅安となり、バリュエーションは改善しているが、「割安」かどうか見極めは難しく、買い向かう力は鈍い。

<中国の人件費増、日本企業にも影響>  

東京商工リサーチによると、2015年に中国に関連した悪材料で経営が破たんした「チャイナリスク関連倒産」は76件と、前年の46件から大幅に増加した。負債総額も前年の203億0200万円から2346億2800万円へと急拡大。4月に江守グループホールディングス、9月に第一中央汽船など大型倒産が相次ぎ、大きく膨らんだ。

倒産理由で最も多かったのは、76件中55件と7割を占めた「コスト増」。中国国内の人件費高騰に伴う製造単価の上昇や、円安による輸入費用増大が収益を圧迫した。

昨年12月に大阪地裁に破産申請したT&T(大阪府、負債総額7億円)は婦人服の卸売業者だったが、製品の大半を中国からの輸入に頼っていたため、中国での人件費高騰や円安で収益が悪化。規模拡大に伴って在庫負担が増加していたこともあり、資金繰りが行き詰った。

中国の最低賃金は、過去10年で2─3倍に急増。「世界の工場」と言われた中国の製造業が苦境に陥っているのは過剰設備だけでなく、人件費の高騰という面が大きい。さらに日本企業にとっては円安が重なり、輸入コストが急増し、収益を圧迫している。

産業分野に関しては、日本と中国はライバルというよりも共存関係にある。素材や部品を中国から輸入し、日本で加工、中間製品として再び中国に輸出。中国で完成品に仕立て世界に輸出するというのが製造業での典型的な経路だ。中国の人件費高騰は日本企業にとってもプラスではない。

2014年のデータで見て、日本の最大の貿易相手国は中国。輸出入総額は約32兆円で全体の20%。第2位の米国の21兆円、13%を大きく上回る。

<今年は中国景気の減速が直撃か>

しかし、東京商工リサーチでは、今後は「コスト増」以外の倒産が増える可能性があると指摘する。「中国の景気減速で倒産件数は前年以上に増える可能性が高まっている」という。

昨年9月、東京地裁に民事再生法の適用を申請した第一中央汽船。中国の景気減速にともなうばら積み貨物の需要減少で運賃と傭船料の逆ザヤが拡大。負債総額1196億円の大型倒産となった。

ばら積み船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数.BADIは、中国が石炭や鉄鉱石輸入を減少させる中で、過去最低を更新し続けている。足元は約400ポイントと2015年8月の水準から約3分の1の水準に下落。08年5月のピークには1万1000ポイントを超えていた。

円安は止まったが、中国景気は一段と減速。今後、日本の製造業から見た受注悪化や、過剰在庫商品が採算度外視の価格で日本に入ることで値崩れを起こす可能性もあるという。「インバウンド消費」が急に減ることはないとしても、明暗が分かれる企業が出てきそうだ。

<見失った「フェアバリュー」>

さらに国内総生産(GDP)で世界第2位の規模を有する中国の景気減速は、世界景気に連動しやすい日本企業の収益も圧迫する。今年、中国のGDPは6%後半の成長が見込まれている。先進国に比べれば依然として高い成長率だ。

しかし、中国の2桁成長を前提に組んでいた投資計画も多い。成長減速にともない計画の見直しを迫られれば、資金回収ができないケースも増えてくる。

12月の中国の貿易統計で、輸出は市場予想を上回り好材料と受け止められた。しかし、輸出増は12月以降の人民元安のプラス効果もあった。人民元安は、輸出を後押しするが、資金流出を促しかねない「両刃の剣」。さらに中国からの輸出が増えれば、ライバルであるアジア新興国の輸出を圧迫することになる。

HSBC(香港)の日本担当エコノミスト、デバリエいづみ氏の試算では、中国の成長率が0.5%ポイント低下すると、日本の成長率も0.4%落ち込む。「中国向け輸出の落ち込みよりもアジア新興国の景気減速が日本を直撃する」という。

日本の11月機械受注(民需)は前月比14.4%減と事前予想の7.9%減を大きく下回った。前月の大型受注の反動を考慮しても、マイナス幅が大きい。SMBC日興証券・チーフエコノミスト、牧野潤一氏は「企業は設備投資の必要性を認識しつつも、世界景気懸念からその実行を躊躇(ちゅうちょ)しているようだ」とみる。

14日の市場で、日経平均.N225は一時700円を超える下落となり、1万7000円を割り込んだ。予想PER(株価収益率)は14倍付近まで低下している。

しかし、中国発の景気減速が強まる中で、企業業績への不安が台頭。「今の水準が割安とは言い切れなくなってきた」とJPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、重見吉徳氏は話す。

年初からの急落が止まらない日本株だが、フェアバリューを見出すまで下値を固めるのは難しく、不安定な展開が続く可能性が大きいとみられている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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