December 17, 2014 / 7:32 AM / 5 years ago

4分されたFOMC後の相場見通し、原油安で揺らぐシナリオ

[東京 17日 ロイター] - 今後の世界経済や市場動向を占う材料として、17日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が注目されている。これまで盛り込まれてきた事実上のゼロ金利を「相当な期間」継続するとの表現の取り扱いをめぐり、4つのマトリックスに市場反応が大別され、コンセンサスは形成されていない。

 12月17日、今後の世界経済や市場動向を占う材料として、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明が注目されている。NY証券取引所で2012年12月撮影(2014年 ロイター/Andrew Kelly)

原油安でリスクオフに傾いた心理がどうなるのか、市場参加者は固唾を飲んで声明の中身を見守っている。

<削除か維持か>

ほんの2週間前までの強気相場であれば、17日のFOMCとその後の市場反応に対する見方は、相当収れんされていたはずだ。米連邦準備理事会(FRB)は好調な米経済を背景に、ゼロ金利の継続期間に関する「相当な期間(続ける)」という表現を削除。来年の利上げが視界に入ることで、リスクオン相場はいったん短期の調整に入るとの予想が、コンセンサスになったとみられる。

しかし、急速な原油価格の下落とそれに伴う一部の新興国市場の混乱、そして世界の金融市場全体もリスクオフとなったことで、予想が一気に難しくなった。このマーケットの混乱状況を無視して、FRBがタカ派的な姿勢を見せるのか、それとも市場に配慮し、文言を維持もしくはハト派的なニュアンスを含ませるのか──。予断を許さない状況となっている。

FOMC声明に「相当な期間」が最初に盛り込まれたのは2012年12月。資産買い入れ(量的緩和)が終わり、景気が回復の勢いを強めた後も、超緩和姿勢を続けると約束した。量的緩和策第3弾(QE3)は今年10月に終了。失業率は5.8%まで低下し、米経済は好調さを保っている。ただ、その半面で、原油安により、ディスインフレ懸念が台頭、利上げを急ぐ必要性も後退している。

<削除した場合>

「相当な期間」との文言が削除された場合、株式や新興国通貨などリスク資産は、調整再開となるの予想が多い。足元では急ピッチの株安・通貨安となっているが、米ダウ.DJIは、12月5日の上場来高値からまだ約5%の下落に過ぎないためだ。10%下落するとすれば、あと876ドルの下げ余地がある。

「市場がタカ派的と受け止めるような内容となった場合は、短期ゾーンを中心に米金利が上昇しやすい。これまでリスクオンのけん引役となっていた米株式が、米金利上昇によって崩れる展開となれば、原油安で進んだ資源国通貨安を加速させ、世界的なリスクオフが再燃する可能性がある」(第一生命経済研究所・主任エコノミストの西濵徹氏)という。

半面、日欧の金融緩和や原油安のメリット面を重視して、来年以降の景気は悪くないとみれば、逆の展開もありうる。調整幅は小さいとしても、リスクオンポジションはある程度整理された。このため「FRBが、この不安定なマーケット状況下にもかかわらず、タカ派的な姿勢を示せば、自信の表れとされ、リスクオン材料として受け止められる可能性がある」(外資系証券トレーダー)との見方も出ている。

<文言維持の場合>

「相当な期間」の文言を残した場合、不安定な市場に配慮したフレンドリーな対応として、弱気に傾いた市場心理を回復させるとの見方が多い。

「米金利には低下圧力がかかり、その面ではドル安/円高になるが、米株がハト派の姿勢と低金利を好感する形で反発するだろう。株高が進めば市場心理の改善を通じて、ドル高/円安圧力の方が、今は優勢になりそうな情勢だ」とIG証券・マーケットアナリストの石川順一氏はみている。

米ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁は今月1日、米連邦準備理事会(FRB)は経済の動向だけでなく、金融市場の反応も考慮して利上げペースを決めるとの考えを示している。今回のFOMCでは、金融市場の混乱を重視する声が強まる可能性もある。

ただ、同総裁は同2日、原油価格の値下がりは米国内のエネルギー企業には打撃となり得るが、トータルで見れば足元、米国に好影響をもたらす、とも述べている。FOMCが米国内重視なのか、世界全体に配慮するのかが、判断の分かれ目になりそうだ。

<求められる繊細なハンドリング>

いずれにせよ、原油急落などによってマーケットが不安定な状態であり、FRBには繊細なハンドリングが求められている。

2007年8月7日のFOMC。サブプライム問題が表面化し、市場が荒れ始めていたにもかかわらず、FRBは自国の物価が改善していることを重視、インフレ警戒の姿勢を続けた。

その2日後の8月9日、BNPパリバが同行傘下のファンドについて投資家からの解約を凍結すると発表。いわゆる「パリバショック」が発生。市場は大混乱に陥った。

FRBは翌10日に緊急声明を発表。市場への流動性供給を行った。

三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は「今回も米国が自国の経済の強さにフォーカスする形で、相当な期間という文言を削除する可能性もある」と指摘。危機対応に手練れたFRBだが、マーケットの不測の反応には警戒が必要だとしている。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

<東京市場 17日>

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日経平均  国債先物3月限 国債336回債   ドル/円(15:00)

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16819.73円 147.60円 0.355% 117.06/08円

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+64.61円 +0.02円 変わらず 116.39/42円

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注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。

下段は前営業日終値比。為替はNY午後5時。

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