January 5, 2015 / 7:33 AM / 5 years ago

初日からボラタイルな「官製相場」、2015年の展開暗示か

[東京 5日 ロイター] - 新年初日の東京市場は、動きの激しいボラタイルな展開となった。ギリシャの政情不安など海外の不透明感が強いにもかかわらず、特段の材料がないまま日本株はマイナス圏から急反転。日銀のETF(上場投資信託)購入を期待した買いが入るなど「官製相場」への期待が株価を押し上げた格好で、ドル/円JPY=EBSも切り返した。緩和マネー主導で大きく振れる今年の相場展開を暗示しているようだとの声も出ている。

 1月5日、新年初日の東京市場は、動きの激しいボラタイルな展開となった。東京証券取引所で撮影(2015年 ロイター/YUYA SHINO)

<日銀ETF買いへの思惑>

大発会のマーケットには、その年の相場の特徴がしばしば表れることがある。日経平均.N225が3万8915円(終値ベース)の史上最高値を付けた1989年12月29日。翌年の大発会となった1990年1月4日は200円安で始まり、年間では1万5000円下落。バブル崩壊の予兆となった。

昨年初日の日経平均は、その前年末に9連騰と急上昇した反動が出て、380円安で始まった。昨年の値幅自体は4100円と、それほど大きいわけではなかったが、前年末の終値水準から下に2400円、上に1700円と上下に振れる荒れた相場展開を示唆するスタートとなった。

今年の大発会は、終値では42円安と小幅安だったが、一時はマイナス200円安まで下落。その後、一時90円高の水準まで一気に切り返すボラタイルな展開となった。特段の買い材料は見られず、上海総合指数.SSECが一時3%超の急伸を見せたが、コマツ(6301.T)などの株価はマイナスで、中国関連株がにぎわったわけではない。

相場を反転させた材料は、日銀によるETF買いへの期待だ。前場終値がマイナス圏だったことで、午後に入って買いが入るのではないかとの思惑が強まった。

「昨年の大納会(12月30日)は、日銀のETF買いが見送られたことが大幅安の一因となった。大発会は逆に日銀のETF買いが入ると期待されるとの見方から、短期筋による押し目買いが入ったようだ」(日本アジア証券グローバル・マーケティング部次長の清水三津雄氏)という。

<インパクト強まる日銀や公的年金の買い>

日銀は昨年10月31日に決定した追加金融緩和策で、ETFを2015年に3兆円購入することを決定した。東京株式市場の年間営業日を250日として、1日当たり「必ず」120億円買うことになる計算だ。

昨年10月31日以降、ETFの買い入れ規模は、それまでの147億円から374─380億円に拡大。そのペースであれば、ほぼ3日に1度は買い入れる必要がある。

東証1部売買代金は2兆円を割り込む水準に減少しており、取引時間中にまとまって出てくる買いの額としては、マーケットに与えるインパクトは十分だ。さらに中央銀行が株式を購入するというアナウンスメント効果は小さくない。

また年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金など「公的年金」が国内株を増やすポートフォリオへの変更を進めていることから、年間1.7─3.5兆円の資金が流入するとの試算もある。

「いいか悪いかは別にして、日銀やGPIFの買いが日本株相場を下支える要因になることは間違いない。しかし、日銀の追加緩和などを材料にヘッジファンドなどが仕掛けることが予想される。今年も『官製相場』が続くとみられるが、ボラタイルな相場展開は続くことになりそうだ」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券・投資情報部長の藤戸則弘氏は指摘する。

<株高と債券高の共存いつまで>

実際、現物株と先物を合わせた昨年の日本株の買い主体を見ると、12月15日の週までの累計では、外国人が2278億円と2013年の13兆6771億円から大きく減らしているのに対し、公的年金の売買を仲介する信託銀行は2兆7469億円と大きく買い越している。

現在、日本株を最も保有しているのはGPIFだが、ETF購入を進める日銀は近く日本生命を抜いて第2位の「大株主」となる見通しだ。「違和感はあるにせよ、GPIFと日銀の動向に神経質になるのはやむを得ない」(国内証券)というのが市場の本音だろう。

「官製相場」は円債市場も同じだ。10年債利回りは過去最低水準の0.3%台に低下。日本経済もしくは日本企業の業績が改善するとすれば、低過ぎる長期金利はいずれ正当化できなくなる。

一方、低い長期金利の方が「正しい」とすれば、今から10年後でさえ、景気や物価は上向いてない状態と言うことであり、株高の方が修正を迫られることになる。

「官製相場」が行き過ぎて、実体経済とかい離するような相場が形成されれば、いずれ、株高と低金利のどちらかが修正される形で大きく変動することになるため、警戒が必要だ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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