[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のスタッフは30日、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインについてブログ投稿で、相場が人為的に押し上げられているとし、賭博により近い以上、規制当局や金融機関がお墨付きを与える類いのものではないと厳しく批判した。
投稿文はスタッフ2人の共著。ビットコインの急落が最近、一服しているのは最後のあがきのような人為的な動きだと論評。「ビットコインの大口投資家らには投資に向けて強い高揚感を続けさせる最大の動機がある」と批判した。
2020年末ごろに一部の企業が散発的に会社経費でビットコイン投資を手がけ始めたと振り返り、一部のベンチャーキャピタルは今でもビットコインに大きく投資したままだと指摘。仮想通貨やブロックチェーン業界へのベンチャーキャピタルによる投資が、今年7月半ば時点で計179億ドルに上っていたとした。
投稿文はビットコインがいずれ規制当局に承認されるとの誤解もあると指摘。「ビットコインは決済システムとしても投資手段としてもふさわしくないように見えるため、そもそも(金融・証券などの)規制当局の範疇として扱われるべきではなく、こうした規制当局がお墨付きを与えるべきでもない」と主張した。著者の1人はロイターへの電子メールで、仮想通貨は良くても賭けやギャンブルとして規制されるべきものだと指摘した。
投稿文は、仮想通貨に資産運用業者や決済サービス業者や保険業者、銀行が関与していることで、ビットコイン投資が健全であるとのメッセージを個人投資家に送っているとも指摘。金融界はビットコイン投資を促すことで短期的には利益を上げられるかもしれないが、長期的には損害を被ることを警戒すべきだとも訴えた。
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