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コラム

コラム:インドのZ世代を狙え、暗号資産が金融アプリの主戦場に

[ムンバイ 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - インドでは、ビットコインやイーサリアム、ドージコインといった暗号資産(仮想通貨)を買う方が、アプリでピザを頼むより手っ取り早くできる。スタートアップ企業が次世代投資家を引き寄せようとしのぎを削っているからだ。

 インドでは、ビットコインやイーサリアム、ドージコインといった暗号資産(仮想通貨)を買う方が、アプリでピザを頼むより手っ取り早くできる。スタートアップ企業が次世代投資家を引き寄せようとしのぎを削っているからだ(2021年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

例えばコインスイッチクーバーは、さまざまな暗号資産取引所の中から最も有利な価格を選んで投資できるアプリ。インドのZ世代(10代から20代前半)の間で人気が急上昇している。ユーザーの平均年齢は25歳と、米国の暗号資産投資家より10歳以上も低い。しかも7割以上は初めて金融資産に投資する顧客だ。同社は先月、アンドリーセン・ホロウィッツ、セコイアといった投資企業や米暗号資産取引所コインベースが主導する資金調達ラウンドで約20億ドルの企業価値評価を得た。

コインスイッチのユーザーは、基本的な個人情報と納税者番号をアップロードし、写真を自撮りするだけで、80種類以上の暗号資産をわずか100ルピー(約1.30ドル)から取引できる。手続きに要する時間は5分だ。同社のアプリは約1年半で1200万人のユーザーを獲得した。コインDCX、Bitnbns、WazirXといったライバル社同様、多額を投じてクリケットの主要トーナメント中に広告を打っている。

こうした動きからは、フィンテック・ユーザー獲得を巡る最新の戦場が浮かび上がる。これらスタートアップ企業が闘いを挑む相手は、電子決済サービス会社ペイティーエム(Paytm)などのデジタル融資・投資プラットフォーム企業だ。

最大185億ドル規模の新規株式公開(IPO)を目指すペイティーエムなどに比べ、挑戦する側の規模は小さい。しかし暗号資産は動きが激しいため、取引に中毒性がある。ユーザーは、例えば投資信託の投資家よりも頻繁にアプリを開き、もうかっているか損が出ているかをチェックする。これはコインスイッチなどの企業にとって強力な磁力となり、最終的に株やファンドなどの規制商品サービスを展開して次の巨大金融アプリに化ける可能性にもつながる。

中国は暗号資産を実質的に禁止したが、インドは熱狂的な暗号資産ファンを地下に潜らせるリスクを冒すよりも、規制する方を選ぶ公算が大きい。政府はかつて暗号資産の禁止を試みたが、昨年3月に最高裁によって覆された。暗号資産取引が禁じられる可能性は残っているものの、差し当たってより大きな問題はもっとシンプルなものだ。すなわち、スタートアップ企業はユーザー教育をほとんど行っていないため、大半のユーザーはハイリスク・ハイリターンという特性を理解しないまま取引している。インドで大きな事故や反動が起こる余地はたっぷりある。

●背景となるニュース

*コインスイッチクーバーは10月6日、アンドリーセン・ホロウィッツやコインベース・ベンチャーズ、既存株主のセコイア・キャピタル・インディア、タイガー・グローバルから計2億6000万ドルを調達したと発表した。企業価値評価は19億ドルと、インドの暗号資産企業として最高になったとしている。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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