[ニューヨーク 10日 ロイター] - 今年1─9月に仮想通貨交換所と取引プラットフォームからハッキングによって盗まれた仮想通貨の被害額は9億2700万ドル(約1040億円)と、昨年全体の2億6600万ドルから250%近くも急増した。サイバーセキュリティー会社のサイファートレースが10日発表した報告書で明らかにした。
ビットコインの人気上昇に加え、その他のデジタル通貨やトークンが1600種類以上も登場したことで、ハッキングを通じた犯罪や不正も拡大している。
サイファートレースのデーブ・ジェバンス最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューに応じ「規制当局の対応は数年遅れの状態にある。強力な資金洗浄(マネーロンダリング)取締法を本格的に適用している国はごくわずかだからだ」と語った。
ジェバンス氏によると、実際の犯罪は今回の報告書で把握した分の5割増しである公算が大きく、現にサイファートレースとしても報告書以外で6000万ドル強の仮想通貨盗難があったと認識しているという。
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