January 17, 2018 / 4:46 AM / 4 months ago

アングル:生活手段か投機か、仮想通貨を巡り韓国で深まる溝

[ソウル 12日 ロイター] - 最新ハイテク機器が素早く広がり、若者が旧来の仕事に明るい希望を持てなくなっている韓国は、こうした「良好な土壌」を背景に仮想通貨の普及が急速に進んだ。

 1月12日、仮想通貨の普及が急速に進んだ韓国では、同通貨を生活向上の手段とみなす世代とギャンブルと位置付ける政府との間で溝が深まりつつある。ソウルで11日撮影(2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

しかし当局は仮想通貨の取引禁止までも提案しており、仮想通貨を生活向上の手段とみなす世代とギャンブルと位置付ける政府との間で溝が深まりつつある。

朴相基(パク・サンギ)法相は11日、法務省が仮想通貨の取引所取引を禁止する法案を準備していると発表した。しかし大統領府のウェブサイトには12日までに取引禁止法案に反対する署名が12万人分以上も殺到してサイトが一時機能不全に陥り、大統領府は取引所取引の禁止は最終決定ではないとの見解を示すなど火消しに追われた。

ソウル大学のYun Chang-hyun教授(経済学)は取引禁止法案について、政府はバブルが破裂して事態が悪化するのを心配しているとの見方だ。

一方、韓国の若者は失業率が全国平均の3倍に達して貧富の差が拡大しており、経済に暗い見通しを抱いている。大統領府に寄せられた署名には「好きなだけ課税すればいいが、取引を禁止するな。仮想通貨取引で生活している」といった訴えもあった。

ビットコインで1800万ウォン(1万6973.93ドル)の利益を上げ、最初の投資額の2倍に増やした大学院生のLee Min-kyungさん(25)は、政府の対応が行き当たりばったりなのは当局者が仮想通貨を理解不足のためだと話す。「当局者は規制の目的は投機の抑制だと説明しているけれど、政府は単にこの市場が分かっていないとしか思えない」という。

調査会社サラミンが昨年12月に941人のホワイトカラーを対象に実施した調査によると、30%以上が仮想通貨を取引していた。平均投資額は570万ウォン(5357.14ドル)で、取引を始めた理由としては「一番手っ取り早く儲かるから」というのが大半を占めた。

こうした風潮に対しては政府だけでなく一般市民からも批判の声が上がっている。ソウルの機械工のKoh Young-samさん(56)は「若者はこんな詐欺に乗るべきじゃない。これほど急拡大するものは絶対にうさんくさい」と話し、仮想通貨ブームはいずれ崩壊するとみている。

匿名で取引できる仮想通貨への課税や規制に手を焼いているのは韓国だけではない。最近では中国が昨年9月にリスクが大きいとの理由で仮想通貨の取引を規制した。

ウェブサイトのコインヒルズ・ドット・コムによると、韓国は全世界の仮想通貨取引の約15%を占めており、同国の規制当局の対応は海外にも影響が及ぶ。

韓国の仮想通貨取引所大手ビットサムによると、韓国のビットコイン相場は一時1750万ウォン(1万6445.82ドル)まで下落した後、12日には1930万ウォン(1万7481.20ドル)に持ち直した。

(Cynthia Kim記者、Heekyong Yang記者)

 1月12日、仮想通貨の普及が急速に進んだ韓国では、同通貨を生活向上の手段とみなす世代とギャンブルと位置付ける政府との間で溝が深まりつつある。ソウルで11日撮影(2018年 ロイター/Kim Hong-Ji)

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