[ワシントン 20日 ロイター] - 米国とキューバは20日、54年ぶりに正式に国交を回復し、双方の首都に互いの大使館を再開させた。米ワシントンにあるキューバの利益代表部は大使館に格上げされた。キューバ国旗の掲揚が行われ、キューバのロドリゲス外相が出席した。
キューバの首都ハバナでも米大使館が再開。米国旗は来月に予定されているケリー国務長官のキューバ訪問時に掲げられる。
ただ、国交を回復しても米国の対キューバ制裁は残る。キューバのロドリゲス外相は式典でオバマ米大統領に対し、制裁の全面解除に向け大統領令を発令するよう訴えた。オバマ政権はこうしたキューバの求めに対し、人権問題の改善が必要との立場をとっている。
ロドリゲス外相は「きょうの歴史的なイベントは、経済・商業・金融上の障壁が取り除かれて初めて意味を持つものになる」と主張した。
ロドリゲス外相と会談したケリー長官は共同記者会見で、両国関係の「新たな始まり」に歓迎の意を支す一方、両国政府を隔てている課題はまだ多いと指摘。完全な正常化への道のりは「長く、複雑」なものになる可能性があると述べた。
両国は1961年に国交を断絶した。国交正常化は昨年12月、オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が発表した。
*内容を追加しました。
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