[東京 12日 ロイター] - 海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す3月の経常収支は2兆9804億円の黒字となった。原油価格の下落に伴う輸入減で貿易収支を改善したほか、海外から受け取る特許使用料や配当収入も高い水準を維持し、2014年7月以降21カ月続けて黒字を確保した。黒字幅としては2007年3月(3兆3604億円の黒字)以来9年ぶりの高水準だった。
財務省が12日発表した。併せて公表した15年度の黒字額は17兆9752億円に積み上がった。年度ベースの黒字としては10年度(18兆2687億円の黒字)以来の水準となっており、経済構造の変化は潜在的な円高圧力となりそうだ。
3月の国際収支状況では、経常黒字が前年同月に比べて1934億円増えた。このうち、貿易・サービス収支は1兆1701億円、第1次所得収支は2兆1317億円と、ともに黒字だった。
ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は3兆0045億円程度の黒字だった。
*内容を追加します。
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