[7日 ロイター] - 米連邦検察当局は早ければ10日に始まる週に、「クラウドホッパー」として知られるサイバー攻撃を通じて米企業からデータを盗んだとして、中国情報当局と関係があるハッカーらを刑事訴追する見通し。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
米情報当局高官によると、クラウドホッパーはハッキングの成功率やデータ流出の範囲としては、過去最大級のハッキング作戦。訴追については米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じた。
2人の米当局者によると、クラウドホッパーは中国公安省に関係があるハッカーが仕掛けていると考えられており、中国が広範な米企業について大量のデータを集めることを可能にしてきた。ターゲットとなっているのは、大規模な独立系データ管理会社や、米企業や政府機関の代わりにデータを管理するクラウドサービス会社。
傘下にサイバーセキュリティー調査会社を持つ英防衛大手BAEシステムズBAES.Lの報告書によると、クラウドホッパー絡みのサイバー攻撃は少なくとも2017年序盤に始まった。
米検察がこのタイミングで訴追に踏み切れば、米中両国政府間の緊張をさらに高める公算が大きい。中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL] の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)は今月初め、米国の要請でカナダで逮捕されており、中国が反発している。
1人の米当局者によると、クラウドホッパーに関しては、検察による訴追後、さらに制裁やその他の懲罰的措置が講じられる可能性がある。制裁対象に指定される可能性がある人物については明らかにしなかった。
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