[東京 28日 ロイター] - 日本政策投資銀行は28日、社長に渡辺一副社長(59)が昇格し、会長には元財務事務次官の木下康司副社長(61)が就くトップ人事を発表した。同日付。柳正憲社長(67)は退任する。2代連続の生え抜き社長となる。
渡辺社長が業務全般を統括し、木下会長が取締役会議長を務めるとともに、政府や財界などとの関係構築に当たる。
会見した渡辺社長は、業務の4本柱として投資と融資、アドバイザリー、アセットマネジメントに注力する方針を表明。「(4業務を)さらに拡大させて、取引先や社会の要請に応える強いしなやかな金融機関にしたい」と述べた。
特に、投資業務の中でリスクマネー供給の役割を果たすことが重要だと指摘。「民間の大きな資金量と合わせて社会のニーズに応える。エクイティのマーケットをもっと広げていく」と語り、その上で収益力の向上に取り組む考えを示した。
今後は民間金融機関との協調体制を一段と進め、「民間の大きなネットワークに入れてもらい、ディールソースを探すことが必要だ」と述べた。
渡辺氏は東大工卒で、81年に日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。経営企画部長などを経て、15年から副社長。