for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:米「民主党政権」なら、金融界出身者の起用はあるか

[ニューヨーク 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米ウォール街から首都・ワシントンへと通じる回転ドアが、間もなく閉じられるかもしれない。11月の米大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領が勝った場合、金融業界の人間を要職から排除してほしいと民主党関係者の一部は望んでいる。しかし、過度に潔癖な人選を行えば、資産運用大手・ブラックロックBLK.Nのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)など、せっかく付加価値をもたらしそうな人材を不合格にすることになるだろう。

10月6日、米ウォール街から首都・ワシントンへと通じる回転ドアが、間もなく閉じられるかもしれない。ホワイトハウス前で2日撮影(2020年 ロイター/Joshua Roberts)

米国の司法関連情報に詳しいEpicのデータによると、今年1―9月に米連邦破産法第11条の適用を申請した企業数は、前年同期比33%増加した。このような「コロナ不況」から、米経済は非常に重い足取りで回復しつつある。そうした中で財務省は、今後の経済の道筋を左右する重要な役割を果たす。

複数の報道によると、民主党中道派の一部は、フィンク氏が財務長官に適任かもしれないと考えている。他に金融業界の人材として名前が挙がっているのは、プライベートエクイティ大手・ブラックストーンBX.Nのトニー・ジェームズ執行副会長だ。

しかし、左派寄りの一部バイデン支持者の中には異論がある。「回転ドアプロジェクト・正義の民主党員」といった団体は、財務省、米連邦準備理事会(FRB)や、その他機関の要職に金融業界以外の人材を充てるよう求めている。

オバマ前政権の2015年には、投資銀行・ラザード出身のアントニオ・ワイス氏の財務次官起用が、進歩主義的な議員らの反対で撤回された事例がある。財務次官の任命には上院の承認が必要だ。

いかなる業界であれ、業界出身者の政府要職への起用は偏向につながるリスクがある。だが、ウォール街出身者の中にも、元同僚を厳しく監督できることを証明してみせた人物はいる。例えば、商品先物取引委員会(CFTC)のゲンスラー元長官はゴールドマン・サックスに20年間務めた経歴を持つが、金融危機後の改革に取り組み、数人を刑務所に送り込んだ。

観念的な人選に固執すれば、進歩主義者が本来選びたかったかもしれない人材を排除することにもつながりかねない。金融業界における有色人種と女性の昇進を訴える全米証券専門家協会などの組織は、先週バイデン氏に対し、金融機関幹部を一律に拒絶しないよう求めた。複数の黒人組織が推す人材の中には、元FRB副議長で今は教職員保険年金連合会・大学退職株式基金(TIAA-CREF)のCEOを務めるロジャー・ファーガソン氏らがいる。

バイデン氏は、折り合いをつけるかもしれない。ブラックロックが7兆3000億ドルの資金を運用する巨大金融機関であることを踏まえると、フィンク氏の起用はあまりに物議を醸しやすいかもしれない。ブルームバーグ通信によると、同氏自ら取締役会に対し、政権入りを望んでいないと話したという。

しかし、仮にバイデン氏が財務省その他の主要経済ポストに金融機関出身者を据えるなら、証券取引委員会(SEC)などの監督機関トップには業界外の人物を起用するという手もある。人材を限定し過ぎると、次期大統領の仕事は大変になるだろう。

●背景となるニュース

*Epicが5日公表したデータによると、9月の米連邦破産法第11条の適用申請件数は747件と、前年同月比78%増加した。1―9月では前年同期比33%の増加となった。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up