June 29, 2018 / 1:47 AM / 5 months ago

コラム:落第したドイツ銀、米国事業のさらなる削減必至

[ワシントン 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ドイツ銀行(DBKGn.DE)は米連邦準備理事会(FRB)のストレステスト(健全性審査)で再び落第し、米国事業のさらなる削減を迫られることになる。

 6月28日、ドイツ銀行は米連邦準備理事会(FRB)のストレステスト(健全性審査)で再び落第し、米国事業のさらなる削減を迫られることになる。写真はフランクフルトのドイツ銀ビル。2月撮影(2018年 ロイター/Ralph Orlowski)

FRBが実施したストレステストの包括的資本分析(CCAR)で不合格となった大手行はドイツ銀の米子会社のみで、規制面で新たな問題が加わる形。法令順守費用を考えると、ゼービング最高経営責任者(CEO)は米国事業を一層圧縮せざるを得なくなり、ライバルの米銀勢の優位性をもっと高めてしまいかねない。

ドイツ銀は、米事業のほんの一部がストレステスト対象だった2015、16両年でさえ、自己資本は最低基準を大幅に上回っていたにもかかわらず、合格できなかった。FRBが懸念要素として挙げたのは、資本計画の相当な脆弱性だった。その後ドイツ銀や他の大手外銀は米国における持ち株会社設立が義務付けられ、今年初めてストレステストに正式に参加した。

ドイツ銀の米子会社は今回、資本計画の脆弱さが再び問題視されてしまった。また複数のFRB幹部によると、リスク管理とデータ処理能力、内部監査の面でも重大で幅広い欠陥が見つかった。いずれにしても不合格を宣告されたことで、ドイツ銀は米子会社から本国の親会社に配当などを支払う際にはFRBの許可が必要になる。

ゼービング氏は4月、米子会社が行う融資を減らすとともに、プライム・ブローカリッジ部門のレバレッジを500億ユーロ削減する方針を発表した。だが法令順守の人員は増やし、15年にはストレステスト対応で約1300人を雇用しており、これが利益に打撃を与えている。

ドイツ銀がストレステストを全面的に免れることは可能だが、それには米子会社の資産規模を現在の3分の1近くまで縮小し、500億ドル未満にしなければならない。そうなれば既存の顧客へのサービス提供が思うようにできない。もっともこれまでの同行の米国におけるさまざまな規制面の失敗に伴う評判上と財務上の痛手が、実際に経営にダメージを与え続けている。

米銀勢のストレステストの成績はもっと良かった。ゴールドマン・サックス(GS.N)とモルガン・スタンレー(MS.N)は資本還元拡大を認められなかったとはいえ、その理由は税制改革による一時的な影響という面が大きかった。JPモルガン(JPM.N)や他の数行は、資本還元計画を修正した上で合格を果たした。

大手行全体では利益の95%を還元する見込みで、米銀勢はそれ以上の気前の良さを見せるだろう。

●背景となるニュース

・FRBは28日、2018年のストレステストのCCARではドイツ銀行の米子会社が大手行で唯一不合格になった。今回からドイツ銀とバークレイズ(BARC.L)、クレディ・スイス(CSGN.S)、RBC(RY.TO)、UBS(UBSG.S)の外銀5行が正式に参加した。

・FRBによると、ドイツ銀の資本計画の裏付けとなるデータと管理態勢に「重大な脆弱性」が見つかった。また緊張状態における収入と損失の想定や試算方法にも問題があった。

・ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは、条件付きで合格したため、向こう1年、株主への資本還元規模を増やすことはできない。税制改革による一時的な資本の落ち込みで、緊張状態で自己資本が最低基準を下回るという。

・シティグループ(C.N)、JPモルガン、ウェルズ・ファーゴ(WFC.N)は、即座に配当と自社株買いを拡大する方針を発表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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