March 13, 2018 / 9:54 AM / 3 months ago

インタビュー:デジタル通貨で構造変化も=ディーカレット社長

[東京 13日 ロイター] - 仮想通貨などデジタル通貨取引・決済事業への参入を表明したインターネットイニシアティブ(IIJ)(3774.T)。サービスを手掛ける関連会社ディーカレットの時田一広社長(IIJ専務)はロイターのインタビューで、デジタル通貨について「構造に大きな変化をもたらす可能性がある」と期待感を示した。

3月13日、仮想通貨などデジタル通貨取引・決済事業への参入を表明したインターネットイニシアティブ(IIJ)。サービスを手掛ける関連会社ディーカレットの時田一広社長はロイターのインタビューで、デジタル通貨について「構造に大きな変化をもたらす可能性がある」と語った。3月12日撮影(2018年 ロイター/Yoshiyasu Shida)

一方、同時に始める仮想通貨取引所については「取引をあおるつもりはない」と強調。利益の源泉となっているスプレッドは「FXと同じレベルまで狭まる可能性がある」との見通しを示した。

インタビューの詳細は以下の通り。

――デジタル通貨は、従来のインターネット金融サービスと何が違うのか。

「従来のインターネット上の金融サービスは、リアルにできていることをネットでもできるようにするものだ。例えばネットで株が買えるようにするとか、基本的には機能の代替であり、チャネルの拡充と言える。ネット特有の利便性は付加されているが、基本的な機能は変わらない」

「これに対して、通貨がデジタル化するということは、ネット空間にお金が飛び交うことであり、従来の金融サービスをネットでもできるようにすることとは次元が違う。取引がネット空間の中だけで完結するので、例えばクレジットカードなど外の金融サービスを使わなくて済むようになる」

「これは、すごく大きなイノベーションだ。ネット時代にもかかわらず、金融サービスはこれまでほとんど姿を変えていない。リアルのことがネットでもできるようになった以上のことはあまり起きていない。これに対し、デジタル通貨は構造そのものにかなり大きな変化をもたらす可能性がある」

――デジタル通貨と電子マネーとの違いは。

「電子マネーは使えるお店が決まっていて、人にあげることはできない。これに対してデジタル通貨は流通する。現金と同じように送ることができる。これが大きな違いで、デジタル通貨はいわばデジタル現金と言える」

――デジタル通貨で何ができるようになるのか。

「例えば支払いたい通貨と受け取りたい通貨が違うときも、デジタル通貨なら容易にできる。米国に旅行に行ったとして、こっちは円で払っているが、先方はドルで受け取っているということもデジタル通貨なら可能だ。企業が発行する通貨を含めて、複数の通貨を持ち、それを組み合わせて決済する、もしくは払いたい通貨と受け取りたい通貨を変えられる、そういう時代になる」

――ディーカレットはどう関わっていくのか。

「デジタル通貨の交換機能と管理口座の提供を始める。口座の中に複数の通貨が入っていて、それを24時間リアルタイムに交換、支払うことができるようにする」

「その際、既存の金融サービスと連携することも必要だ。明日からすべてデジタル通貨の世界に変わるということはないので、まずは既存の金融サービスとつないでいく。したがって電子マネーも競合というよりは協調だ。ビットコインで電子マネーにチャージができれば便利だろう」

――仮装通貨交換業者として登録するのか。

「法定通貨と仮想通貨を交換するには、仮想通貨交換業者になる必要がある。われわれも仮想通貨の取引を提供するので、仮想通貨交換業の登録をする予定で準備を進めている。ただ、われわれは仮想通貨取引をあおるような単なる取引所になるつもりはない。最初から決済機能なども提供していく」

――仮想通貨取引の加入者目標は。

「仮想通貨取引では、最初の3年は毎月1万人くらい獲得していくペースを考えている。年末あたりに事業を開始するので、19年から3年間で30万件から50万件くらいを想定している。外国為替証拠金(FX)取引市場を踏まえると、そこから獲得ペースは少し落ちてくるだろう」

「仮想通貨は今、活況でスプレッドも広いが、われわれはかなりコンサバティブにみている。FXと同じようなレベルまで狭まってくる可能性もあるのではないか。ボラティリティがあまり動かなければ狭まってくるだろう」

――将来的にどのようなサービスの姿を描いているのか。

「取引情報をブロックチェーンのような技術で共通の履歴として書き込んでいって、それを匿名化などコントロールした形で公開することを考えている。デジタル通貨はネットの中を飛び交うわけだが、同時に取引データを書き込んでいけば、取引と決済を一体化できる。その先にはスマートコントラクトがある。いっきにスマートコントラクトにはならないが、それにぐっと近づく」

――日本は現金志向が強い。

「いったんデジタルに傾けば、もう戻って来られないことは他国で証明済みだ。日本は現金志向があり、現在のデジタル方式が普及していないことを踏まえると、デジタル現金で何でもできるようにするのが合っているのではないか」

*インタビューは12日に行いました。

*写真を差し替えました。

志田義寧 杉山健太郎 編集:田巻一彦

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