May 31, 2018 / 3:50 AM / 2 months ago

焦点:ドル相場の反発、米企業収益を圧迫か

[ニューヨーク 30日 ロイター] - ドル相場が先月から上昇基調に転じたことが、米企業の収益に影を落としそうだ。米金利の上昇や欧州経済の減速を背景に、ドルは4月から突然上昇に転じ、現在は約7カ月ぶりの高水準で推移している。

 5月30日、ドル相場が先月から上昇基調に転じたことが、米企業の収益に影を落としそうだ。2月撮影(2018年 ロイター/Jose Luis Gonzale)

米多国籍企業にとっては、外貨で得た利益をドルに転換した額が目減りすることになる。

キングズビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルト氏は「第2・四半期に影響が表れるとは今はまだ断言できないが、この状態が続けば第3・四半期には表れてくるだろう」と話す。

ドルは4月半ば、対ユーロで1年前に比べて14%下落していたが、現在は3.2%安にとどまっている。イタリアで再選挙が実施され、ユーロ離脱の是非を問う事実上の国民投票となる可能性が浮上した29日には、10カ月ぶりの高値を付けた。

トムソン・ロイターのデータによると、アナリストはS&P総合500種株価指数を構成する企業の利益の伸びが鈍化すると予想している。利益は2016年第3・四半期から前年同期比で増加を続けてきたが、第1・四半期の26.3%増がピークとなり、2018年全体では22%増、19年は9.5%増にとどまるとの見方だ。

第1・四半期の増益率は2010年第4・四半期以来の高い伸びで、法人減税の実施が主な要因だった。

ただバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの推計では、増収に対する為替要因の寄与も2%ポイントと、過去6年間で最も大きかった。同行によると、10%のドル高が続けばS&P500種構成企業の利益は通常3─4%押し下げられる。

第1・四半期には幅広い分野の企業が、業績に好影響を与えた要因としてドル安を挙げた。アップル(AAPL.O)、医薬品のブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMY.N)、玩具のマテル(MAT.O)、オンライン決済のペイパル・ホールディングス(PYPL.O)、ネットワーク技術のアカマイ・テクノロジーズ(AKAM.O)などだ。

フェイスブック(FB.O)は第1・四半期にドル安によって収入が5億3600万ドル増え、増収率は49%に達した。為替要因を除くと42%の増収だ。

アナリストの推計では、S&P500種構成企業の売上高の40─50%は海外で稼ぎ出されており、最も大きな割合を占めるのはアジアと欧州だ。

アリアンツの首席経済顧問、モハメド・エラリアン氏は「イタリアの政治情勢が悪化すれば、ドル高と欧州経済の減速を通じて米国に長期的な影響が及ぶだろう。これは特に、一部の多国籍企業の収益にとって逆風になる」と述べた。

もっとも、ドル高は続かないと見るアナリストも多い。ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのグローバル株式・テクニカル・ストラテジスト、サミール・サマナ氏は、米国の赤字が重しとなり、ドルは年末にかけて再び下落すると予想している。

(Caroline Valetkevitch記者 Saqib Iqbal Ahmed記者)

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