[27日 ロイター] - ドルは対主要通貨バスケットに対し年初来から2.7%上昇し、その大半が第2・四半期に集中した。急激なドル高は米企業の第2・四半期利益を圧迫し、一部の企業は業績への悪影響は今後数四半期にわたって続くと警告を発している。
これまでに決算発表などでドル高による業績への影響に触れた主な米企業は次の通り。
●テネコ(TEN.N)(自動車部品、27日)
6月30日の為替レートに基づき、ドル高により第3・四半期の売上高が2%程度減少する恐れがあると警告。
●フェイスブック(FB.O)(交流サイト、25日)
ドル相場の動きは過去数四半期は追い風だったが、今年下半期にはやや逆風に働くと予想。
●タッパーウェア(TUP.N)(食品容器、26日)
第2・四半期の希釈後1株利益が前年同期の1.21ドルから1.17ドルに減少。このうち為替相場の変動による影響は0.06ドルだと指摘し、今年の業績見通しでも為替変動を要因の1つに挙げた。
●ネットフリックス(NFLX.O)(動画配信、16日)
ドル高の影響で第3・四半期の営業利益率が当初予想より小さくなると予測。ネットフリックスは成長の伸びの大半を海外が担うが、コストの大半はドル建ての状態が続いている。
●イリノイ・ツール・ワークス(ITW.N)(複合企業、23日)
ドル高を理由に通期の1株利益目標を7.60─7.80ドルから7.50─7.70ドルに下方修正し、株価が下落した。
●キンバリークラーク(KMB.N)(日用品、24日)
ドル高と原材料価格高騰を理由に、通期の実質1株利益見通しを6.90─7.20ドルから6.60─6.80ドルに引き下げた。
●イーベイ(EBAY.O)(電子商取引、18日)
通期の売上高がドル高によって1億5000万ドル押し下げられると予測。通期の売上高見通しは109億─111億ドルから107億5000万─108億5000万ドルに下方修正した。
●オムニコム・グループ(OMC.N)(広告、17日)
ドル高のために第3・四半期と第4・四半期に売上高が1%押し下げられると警告。
●オラクル(ORCL.N)(ソフトウエア、6月19日)
為替変動の影響で6─8月期の売上高が1%減少すると予想。
●カーニバル(CCL.N)(クルーズ船運航、6月25日)
為替相場の変動と燃料費の上昇により、実質1株利益が現在の見通し(4.15─4.25ドル)を下回ると予測。
●アカマイ・テクノロジーズ(AKAM.O)(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク、6月26日)
ドル高に言及し、第2・四半期の実質利益と売上高の上限の見通しを引き下げた。実質1株利益の予想はレンジの上限を0.83ドルから0.81ドルに下方修正。売上高の上限の予想は6億7000万ドルから6億6300万ドルに下げた。