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アングル:来年もドル安持続か、株やコモディティーに追い風

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 投資家は、2021年もドル安が続き、米国株から新興国市場、工業用金属に至るまで、幅広い資産価格を押し上げると予想している。

 12月23日、投資家は、2021年もドル安が続き、米国株から新興国市場、工業用金属に至るまで、幅広い資産価格を押し上げると予想している。写真は米ドル紙幣。2018年2月撮影(2020年 ロイター/Jose Luis Gonzalez)

米国の過去最低の金利や巨額の財政刺激策、リスク資産への需要拡大などを背景に、ドルは主要国通貨のバスケットに対して年初から6%下落しており、今年は17年以来で最も大きく下落した年となりそうだ。

最近のロイター調査によると、アナリストの3分の2が少なくとも来年半ばまでドル安が続くと予想している。投資家は比較的リスクの高い資産に資金を移し、高利回りを求め続けるとの読みからだ。

トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブス最高経営責任者(CEO)は顧客向けノートに「ドル安が続くお膳立てはできている」と記した。

ドル安は米輸出企業の追い風となる上、国際展開している米企業が海外で得た収益をドルに転換した際の利益も膨らむ。

BofAグローバル・リサーチの推計では、ドルが10%下がるごとにS&P500種総合株価指数の構成企業の利益は約3%増える計算だ。

ビスポーク・インベストメント・グループの調査によると、幅広い主要貿易相手国通貨に対するドル相場の加重平均が0%から3%下落した後の数年間、S&P500は平均22%強上昇する傾向がある。

この指数は今年1.3%強の下落となっているため、「21年は株式投資家にとって極めて見通しが明るい」とビスポークのアナリスト陣は今月記している。

とは言え、ドルが徐々に下がる方が急激な下落より好ましいかもしれない。

金融管理企業キリバによると、北米企業が為替変動から被ったマイナスの影響は今年第2・四半期に141億6000万ドルとなった。

ドル安は資源価格を押し上げる傾向もある。国際的な資源価格はドル建てで表示されるため、ドルが下がると外国人投資家は買いやすくなる。

資産運用会社ロベコのジェロエン・ブロクランド氏は「ドル安はコモディティーにとって二重に支援材料となる。大半のコモディティーはドル建てで表示される上、ドル安局面は(米国などの)経済成長が伸びる時期と一緒になる傾向があるからだ」と話した。

S&P/ゴールドマン・サックス・コモディティー指数は、石油や金など幅広い構成要素が上昇したことで、4月末以来約74%も急騰している。

ニューバーガー・バーマンのサノス・バーダス氏によると、債券市場では、ドル安になると米インフレ指数連動債(TIPS)などのインフレ敏感型資産を買うのが定石だ。

一般的に為替の購買力が減じるとインフレ率は上がる傾向がある。

ドル安は新興国市場にとっても追い風となる。ドルが下がると新興国にとってはドル建て債務の返済コストが下がる。MSCI新興国市場指数は年初から13%上昇した。

ただ、ドルが一本調子で下落するとみる市場関係者は少ない。アナリストによると、米連邦準備理事会(FRB)が予想より早く金融政策を引き締める兆しが出れば、ドルは上昇する可能性がある。

また、市場の不透明感が強まり投資家が安全資産を求めるようになると、ドルは上昇する傾向がある。新型コロナウイルスの変異種拡大を巡る懸念が強まった今週は、そうした動きがみられた。 サクソ・バンクのジョン・ハーディー氏はこうした展開について、「リスクを取る意欲が枯渇する際には、ドルが依然として『安全資産の中でも最も安全』になることを浮き彫りにした」と記した。

(Saqib Iqbal Ahmed記者)

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