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ドル129円前半、約20年ぶり円安水準を連日更新:識者はこうみる

[東京 20日 ロイター] - 20日の東京外国為替市場では一段と円安が進み、朝方にドルは一時129.40円と、2002年4月25日以来の水準まで円が下落した。米国などの主要中銀が金融引き締めに前向きな中で、日本銀行は金融緩和姿勢を維持する構えで、日米の金利差拡大が意識され円売りに歯止めがかからない状態だ。

 4月20日、東京外国為替市場では一段と円安が進み、朝方にドルは一時129.40円と、2002年4月25日以来の水準まで円が下落した。写真は円紙幣。都内で2010年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

市場関係者に見方を聞いた。

●ドルは132円が視野に、米金利の上昇余地残る

<三菱UFJ銀行のチーフアナリスト 井野鉄兵氏>

ここ数日の米金利の上昇や日銀が金融政策を変更しないとの見方がある中で、ドル高/円安は進みやすい環境にある。市場は米連邦準備理事会(FRB)の一段のタカ派化を相応に織り込んできているものの、まだ米金利の上昇余地は残っているとみられ、ドル高/円安基調は今後も変わらない可能性がある。

足元のドル/円の動きをみると、日米金利差拡大で説明できる部分もあるが、それだけではないスピード感で進んでおり、目先のドル/円の上限は見通しづらい。130円が視野に入る中、なんらかの動きがないと状況は変わらない。今週のG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議や日米財務相会談で動きがあるのかどうかを固唾をのんで見守ることになりそうだ。

日米の金融政策の格差がドル/円のドライバーとなっているのであれば、28日の日銀金融政策決定会合に対する注目度は高い。仮に日銀が何もしなかった場合はドル円の跳ね方が大きくなる可能性がある。

現時点での今後3カ月のドル/円について、130円を超えたら、132円も視野に入ってくるだろう。

●目先3カ月のドル、上値は132円を予想

<T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネジャー 浪岡宏氏>

足元の円安は、米金利が一段と上昇していることでドルが買われて、その裏で円が売られている。これまで米2年債利回りと連動性の高かったドル/円は、今は10年債利回りとの相関性が強まっており、米10年債利回りの上昇がドル/円を押し上げた。

目先3カ月程度のドルの上値めどとしては、132円を予想する。ただ、予想を立てるのは非常に難しくなっている。その理由は、当局がどのタイミングで(円安抑制の)対応をしてくるかが分からないからだ。さすがにここまで円安が進行してしまうと、実質実効為替レートや購買力平価の水準からみても円安に振れ過ぎており、当局者の間でもそうした認識があるとみている。

しばらくドル/円は米金利の動向をドライバーに動く可能性が高いだろう。また、日本の貿易収支など実体経済に即した指標もポイントになりそうだ。ただ、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利上げなどがアナウンスされると、材料出尽くし感からいったん金利の上昇がストップする可能性はあり、その場合ドル/円も高止まりするのではないか。

●日銀許容レンジ拡大でも円高効果は1円程度

<野村証券 チーフ金利ストラテジスト 中島 武信氏>

2017年2月など過去には、10年金利が日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)の許容レンジを超えたこともある。今回も10年債金利が0.25%を上回る可能性もゼロではない。

しかし、日銀は金融政策決定会合で10年債金利の許容レンジを変更しない限り、10年0.25%の指し値オペを実施し続けるだろう。つまり、4月28日の日銀会合までは10年金利が0.25%を大きく上回る可能性は低い。0.25%を上回る場合は、積極的に買うチャンスとも言える。

日銀が許容レンジを例えば上下0.5%に拡大した場合、もしくはレンジを撤廃した場合でも、現在の米金利から推計される10年債金利の上昇めどは0.33%程度だ。この程度であれば、日米10年金利差縮小による円高効果は1円程度しかない。ただ、過去10年間の相関でみると、現在のドル/円は日米金利差と比べても過度に円安な状態にある。過去10年のフェアバリューに戻るならば、1ドル110円台前半まで下落する可能性があるとみている。

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