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来週のドル/円は不安定、米大統領選が波乱要因に

 11月4日、来週の外為市場でドル/円は、不安定な値動きになりそうだ。8日(日本時間8─9日)の米大統領選挙の行方が波乱要因になる見込み。写真はモニターに映し出されるヒラリー・トランプ両大統領候補者の討論会。都内の為替ディーリングルームで9月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 4日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、不安定な値動きになりそうだ。8日(日本時間8─9日)の米大統領選挙の行方が波乱要因になる見込みで、値幅を伴う乱高下も警戒されている。4日発表の米雇用統計は、選挙後の地合に影響するとみられている。

予想レンジはドル/円が99.00―105.50円、ユーロ/ドルが1.1000─1.1200ドル。

民主党のヒラリー・クリントン候補の優位を市場は織り込んできたが、私用メール問題の蒸し返しを受けて、共和党のドナルド・トランプ候補の追い上げを受けている。米連邦捜査局(FBI)による捜査の行方は投票前に明らかになりそうになく、リスク回避の円買い圧力が強まりやすい地合だ。

米雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数17万5000人増。これより強い数字だった場合でも、選挙直前のため平時に比べ上昇圧力はかかりにくいとみられている。弱い数字だった場合、クリントン氏の問題で弱地合だけに、ドル安圧力が強まりやすい。

大統領選挙はクリントン氏の勝利なら、不透明要因が一つ後退することでドル/円にはプラスに働くとみられている。ただ「ものすごく上昇するわけでもないだろう」と、ソニーフィナンシャルホールディングスの金融市場調査部長、尾河眞樹氏は指摘する。

「メール問題が解消しない限りテールリスクが残り、ドル/円の上値は重くなる」と尾河氏はみている。少なくとも来週中は、メール報道前に付けた高値105.50─106.00円を超えにくいという。

トランプ氏の勝利となった場合、発射台が足元の103円程度であれば、英国民投票の際の相場経験からも「テールリスクを嫌気して、誰もがとりあえず売る」(国内金融機関)との見方から100円割れもあり得るとの警戒感が出ている。相場が崩れれば、年内利上げの思惑も後退しかねず、週末にかけてさらなる下押しも想定される。

日本サイドでは、7日に金融政策決定会合議事要旨(9月20・21日分)、9日に経常収支、10日に機械受注などの発表がある。追加緩和への思惑は後退しており、指標は市場予想から大きく乖離(かいり)しなければ材料視されにくい。

市場心理の面から、中国市場や原油価格の動向も重要だ。中国では8日に10月貿易収支、9日に10月消費者物価指数(CPI)の発表がある。

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