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〔クロスマーケットアイ〕クローズアップされる米インフレ懸念、株安/債券安に

<東京市場 17日>

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日経平均   |国債先物3月限 | 国債289回債  |ドル/円(14:38) |

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  15482.15円 | 136.26円  |  1.570%    | 113.02/05円  |

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-32.36円 | -0.20円   | +0.025%   | 113.26/30円   |

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注:日経平均、国債先物は前引け、現物の価格は午前11時の値。

下段は前営業日終値比。為替は前営業日NY終盤。

 [東京 17日 ロイター] 17日の東京市場は、前週末NY市場の地合いを引き継

ぎ株安・債券安。113円台の円安を受けて輸出関連株に打診買いが入り日経平均<.N225

>が急速に下げ渋る場面もみられたが、その後のアジア株安で帳消しになった。金融市場

では、予想外の物価上昇によって米連邦準備理事会(FRB)の利下げ余地が制限される

、との懸念が浮上しており、市場が期待する金融緩和によるマネーの供給という観点から

も警戒されている。株安は債券にとって買い材料になるはずだが、現在は質への逃避より

も米国のインフレ懸念に引っ張られており、長期金利は上昇含みだ。

 <迫力不足の政策>

 株式市場では前週末の米国株安を嫌気して、売りが先行。日経平均は200円超の下げ

幅となっている。為替が113円台の円安方向に振れたことで、ホンダ7267.T、キヤノ

7751.Tなどの輸出関連株に買いが入ったものの、円安効果は限定的だった。クリスマ

ス休暇を控えて海外勢の動きは鈍く、指数は先物の売買で振れやすくなっている。

 11月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことから、FRBによる追加利下

げ期待が後退した。「もともと米利下げのペースが鈍いことに加え、欧米中央銀行の流動

性政策も物足りない。政策が後手に回るのではないかとの懸念が出ている」(ちばぎんア

セットマネジメントの安藤富士男専務)という。

 <米経済のリスクシナリオ意識>

 ある準大手証券関係者は「米インフレ懸念が広がってきた。今後の金融政策の手足が縛

られる可能性が出てきており、スタグフレーションも意識され始めている。米クリスマス

商戦の動向についても懸念される。目先、ベスト・バイBBY.Nやサーキット・シティ・

ストアーズCC.Nの決算から米個人消費の動向を確認したい」と話す。

 新光証券・シニアテクニカルアナリスト、三浦豊氏は「11日の米連邦公開市場委員会

(FOMC)後、米国株式市場のセンチメントが悪化している。それを受けて株価が軟化、

日本を含むアジア市場全般にその影響が波及しているようだ」と話す。国内株式につては、

「しばらくは先物中心に乱高下しやすい相場が続く」とみている。

 <国際優良株に押し目買い>

 ただ、三浦氏は、日経平均は25日移動平均線前後の水準にあるため下値を売り込む状

況でもない、ともいう。「需給はすでに最悪期を脱している。下値では郵貯や政府系ファ

ンド等が国際優良株を買い始めているとみている。下値を支える投資家が登場したことで

株価が大きく崩れる可能性は低下した」(ちばぎんアセットの安藤氏)との声も出ている。

 短期的には、日経平均で1万5000割れの水準で買いが入るかどうかがポイントだ。

 <米インフレ懸念に軍配>

 円債は続落。前週末に米国でインフレ懸念が高まり、米利下げ継続の見通しがやや修正

されたことで米債安が進行。その流れを引き継ぎ、円債市場は上値の重い展開で取引が始

まった。日経平均株価の下落で下げ渋る場面もあったが、軟調な地合いは継続している。

 国債先物中心限月3月限は一時、前週末比36銭安の136円10銭まで下落。現物市

場では10年最長期国債利回り(長期金利)が3bp高い1.575%、20年債利回り

は3bp高い2.175%に上昇した。あすの20年債入札を前にしたヘッジ売りやディ

ーラー勢の調整売りがみられた。

 外資系証券の債券担当者は「円債市場では、国内よりも海外発の動きで相場が動きやす

くなっている。国内要因で動くとすれば、年末を控えた需給程度だろう」とみている。「

欧米金融機関の損失計上の問題や、米欧5中銀による資金供給など材料には事欠かないが、

一連の質への逃避の動きは峠を越えつつあるようにも思える。一方で、徐々に年末の休

暇ムードが強まってくるタイミングでもあり、今は相場の方向性を見極めようとしている

段階」という。

 米国のインフレ懸念という厄介な問題がクローズアップされているだけに、目先は「市

場は質への逃避との狭間で反応に戸惑い、方向感を失う場面があるだろう」(三菱UFJ

証券・チーフ債券ストラテジスト、石井純氏)との声も出ている。

 <ドルは米金利に反応しやすく>

 為替市場も、株式などの資産価格の動きよりも、米金利動向に反応しやすくなっている。

東京時間では、前週末NY市場でつけた6週間ぶりの高値113.60円を視野に入れ

た動きが続いた。ドルショート勢の巻き戻しなど、年末の手仕舞いなども加わり「年末ま

でに115円回復もあり得る」(国内金融機関)との見方が出ている。市場では「株と為

替の相関関係は前週あたりからみられなくなっている」(信託銀)とされ、総弱気だった

ドルに対するセンチメントの変化が指摘されている。ただ、ドルが反転上昇したとまでみ

る向きは少ない。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者;編集 田巻 一彦)

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