(カッコ内は先物が欧州市場の前営業日終値比、現物が前営業日終盤)
先物 現物利回り
3カ月物ユーロ(12月限) 98.630 (+0.035) 0.262(0.279)
独連邦債2年物 0.555(0.614)
独連邦債10年物(12月限) 135.63 (+1.96) 2.015(2.191)
独連邦債30年物 2.788(2.944)
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[ロンドン 31日 ロイター] 31日のユーロ圏金融・債券市場では、イタリア国
債利回りが上昇。欧州首脳が合意した包括的な債務危機対策をめぐる楽観的な見方が後退
し、今週の20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が失望する結果に終わるので
はないかとの懸念が広がった。
欧州の債務危機対策については、特に欧州金融安定ファシリティー(EFSF)のレバ
レッジ方法が依然明確になっておらず、G20サミットで中国や日本といった国が特別目
的機関(SPV)への本格的な支援を表明するのか疑問、との声も聞かれる。
DZ銀行のアナリスト、クリスティアン・ライヒェルター氏は「市場は再びリスク・オ
フモードに入っている。欧州当局者が、G20でEFSFへの資金支援で、他の参加国か
ら大きな支援を得られないのではとの懸念が強まっている」と話した。
10年物イタリア国債と独連邦債の利回り格差IT10YT=TWEBは30ベーシスポイント
(bp)程度拡大し410bpと、ユーロ導入後の最高水準に迫った。
2・10年物イタリア国債の利回り格差は10bp程度縮小し、1カ月ぶり水準となっ
た。
ラボバンクの金利ストラテジスト、リチャード・マグワイヤ氏は「市場は一段と高いク
レジットイベント(信用事由)リスクを織り込んでおり、短期債が売り圧力にさらされる
ことへの懸念が示唆されている」と話した。
10年物イタリア国債利回りは6%を超えて上昇した。トレーダーは、欧州中央銀行
(ECB)が流通市場でイタリア、スペイン国債を買い入れているようだと指摘した。
前出のライヒェルター氏は、ドラギ新総裁の下でECBがどの程度積極的に国債を買い
入れるか見極めるため、11月3日のECB理事会を待つことが賢明との見方を示した。
独連邦債先物FGBLc1はほぼ2ポイント上昇。12月限は終盤、前日比169ティック
高の135.36となった。
10年物独連邦債利回りは14.1bp低下し2.042%となった。