<対国債スプレッド>
政保債(地方公)10年 3.5─4.0bp 銀行債(みずほ)5年 32─33bp
地方債(都債) 10年 8.0─8.5bp 電力債(東電)10年 13─14bp
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[東京 15日 ロイター] 一般債市場では、プロミス8574.T<0#8574=JFI>やアイ
フル8515.T<0#8515=JFI>の消費者金融セクターの国内普通社債(SB)に売りが観測さ
れた。同セクターは利息返還の高止まりや総量などの規制強化などで収益先行きへの不透
明感が出ていることに加えて、資金調達環境の悪化が懸念されており、投資家からの潜在
的な売り圧力は根強いとの見方が出ている。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)
市場で指数のiTraxxJapanシリーズ11ITJJP5Y=GFのプレミアムは165ベ
ーシスポイント(bp)と、前日引け(163.5bp)と比較してややワイドな水準で
取引された。市場参加者が株価の先行きに対して警戒感を強めており、信用リスクを回避
するプロテクションの買いが優勢になったとの見方が出ていた。マーケットでは、指数は
銀行・消費者金融セクターのワイド化を反映したとみている。
一般債市場では、消費者金融セクターのSBに売りが目立った。オファーはプロミスの
第33回SB(償還2014年4月)が69円、同37回SB(償還2011年12月)
がLIBORプラス1000bp、アイフル第12回SB(償還2010年6月)が62
円など。
スタンダード&プアーズ(S&P)は14日、アイフルと武富士8564.T<0#8564=JFI>
の長期格付けをそれぞれ引き下げる方向で見直すと発表したことを受けて「消費者金融セ
クターの厳しい事業環境があらためて認識させられた」ことも売りを誘ったとの指摘があ
った。
このほか、みずほコーポレート銀行<0#8310=JFI>第5回SB(償還2012年4月)が
国債プラス27bpオファー─29bpビッドなどの気配が観測された。
<プロミスCDS、2年で1000bp>
CDS市場で銀行、消費者金融セクターがワイドな水準で取引が成立した。プレミアム
はドル建て劣後で三井住友銀行<0#8412=JFI>が85bp、みずほコーポレート銀行が
110bpとなったほか、プロミスの2年は1000bpに上昇した。アイフルの
2009年12月償還はアップフロント6%で取引された。「株式市場の先行きを警戒し
て、プロテクションの買いポジションが増えつつある。タイト化からワイド化を予想する
市場関係者が多くなっている」(外資系証券)との指摘があった。プロミスに関しては、
SBの売りが継続して出ていることや株価の下落を嫌気した外国人投資家からのリスク
ヘッジの需要が強まった。
日本航空(JAL)9205.T<0#9205=JFI>の2010年6月償還に500bpビッドが
観測された。ビッドについて、ある外資系証券のディーラーは「信用リスクに対する警戒
が出ているが、実際に取引しようとする具体的な動きになっていない」と指摘。航空業界
で世界最大手の米デルタ航空DAL.N、米アメリカン航空、エールフランスKLM
AIRF.PAとの提携交渉の行方が不透明なうえ、金融機関からの追加融資を受ける前提とな
る抜本的なリストラ計画が再建にするに値する内容となるのか見通しにくさがあり、マー
ケットでは、成り行きを見定める必要があるとみている。JALは6月に日本政策投資銀
行<0#0903=JFI>や三菱東京UFJ銀行<0#8315=JFI>などから合計1000億円の協調融資
を受けたばかりだが、09年4―6月期連結決算は990億円と巨額赤字を計上した。J
ALについて、みずほ証券・金融市場調査部シニアクレジットアナリストの高橋光佳氏は
「資金調達の方法を整えられるかが経営存続のカギ」とみている。
JALのSB発行残高はグループ会社の日本航空インターナショナル<0#9201=JFI>を含
めて合計470億円。ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行残高は
JALの202億円となっている。
<CP発行総額は2500億円程度>
CPの発行総額は2500億円程度となった。発行レートは横ばい。a1+格の電力が
160億円(9月下旬期日、0.12%台半ば)、a1格の電気機器が800億円(11
月末期日、0.12%台後半)、a1格の建設が200億円(12月末期日、0.15%
台半ば)などの発行が観測された。
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(ロイター日本語ニュース 片山 直幸記者 星 裕康記者)
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