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再送:〔焦点〕みずほにのし掛かる「自己資本の質」問題、株価や不良債権動向で資本増強の可能性も

*この記事は23日午後7時08分に送信しました。

 [東京 23日 ロイター] みずほフィナンシャルグループ8411.Tは23日、2009年3月期業績予想を下方修正し、連結当期損益が5800億円の赤字になると発表した。3月末の連結自己資本比率は10%台前半をキープできる見込みで、健全性基準はクリアしている。しかし、国際的な議論が進む「自己資本の質」問題も抱え、市場関係者の間では株価水準や不良債権処理の動向次第では資本増強が必要になるとの見方も出ている。

 <みずほにのし掛かる「自己資本の質」問題>

 三井住友フィナンシャルグループ8316.Tが最大8000億円の普通株による増資発行計画を発表した翌日の10日。みずほの株価は急落し、一時20円安となった。終値は198円で引けたが、それ以来190円台と低迷している。「みずほは自己資本がもともと薄い。市場は増資による希薄化を懸念している」とある銀行アナリストは解説する。

 今回の損失計上で、連結自己資本比率は昨年12月末時点の11.45%から10%台に低下。国際基準行に課せられる規制上の自己資本比率8%は十分に上回っているものの、国際的に健全とされる10%ラインぎりぎりの水準に落ち込む。

 しかも、みずほには世界的に議論が進んでいる「自己資本の質」問題ものし掛かる。銀行の中核的自己資本(Tier1)には資本金や剰余金のほかに、優先出資証券や繰り延べ税金資産も組み入れ可能だ。しかし、優先出資証券は負債性が高いため「コアTier1とは呼べない」(銀行アナリスト)との指摘が出始めている。

 野村証券金融経済研究所の守山啓輔アナリストによると、優先出資証券などを除いたコアTier1比率は欧米銀の6―7%程度に対して、邦銀は5%台以下にとどまっているのが現状だ。中でもみずほのコアTier1比率は12月末時点で1.57%と際立って低い。「三井住友が8000億円の増資計画を成功させると、みずほが取り残されるかたちになる」(投資信託ファンドマネージャー)との懸念が生まれる。

 <9000億円の増資が必要との指摘も>

 ゴールドマン・サックスの銀行アナリスト、鮫島豊喜氏は3月31日のリポートで「資本不足を埋めるためには、普通株の発行による調達が必要」と指摘。TOPIXが700ポイントの前提でTier1比率を8%に引き上げるには9000億円の資本が必要だと試算している。

 しかし、みずほにとって自力増資の壁は厚い。2003年に実施した転換型優先株による「1兆円増資」の希薄化回避策として打ち上げた買い入れ償却はとん挫したまま。現在の株価水準で普通株発行に踏み切れば、株価のさらなる下落は免れない。しかも、優先株の転換価格の下限は322円。現在の株価水準でさえ、引き受けた投資家は含み損を抱えた計算になる。「ここで普通株による増資に踏み切れば、1兆円増資を引き受けてくれた投資家の恩を仇で返すことになりかねない」という声も行内から漏れる。

 「資本の質」問題を置き去りにして、優先出資証券の発行に踏み切る手もある。しかし、4月に任意償還を迎えるドル建て劣後債の償還見送りで、市場の信認に傷をつけた格好だ。「次のハイブリッド証券の発行には、高いコストを払わされるだろう」(大手銀行財務担当役員)との見方もある。

 みずほは資本増強の可能性について「現時点では具体的な計画はない。必要に応じて検討する」(広報)としている。

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 (ロイター日本語ニュース 布施太郎記者;編集 田巻 一彦)

 ※(taro.fuse@thomsonreuters.com; 03-6441-1820: ロイターメッセージング:taro.fuse.reuters.com@reuters.net)

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